本記事は、WaseiSalonのメンバーの魅力をお届けするべく新しい取り組みとして始まった「WaseiSalonメンバーインタビュー企画」の記念すべき第一回記事です。

WaseiSalonメンバーは、人としての魅力あふれる方ばかり。


「WaseiSalon外への方へも、メンバーさんの魅力をお届けしたい。」


そんな想いからはじまったWaseiSalon広報部の企画です。ぜひご一読ください。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【WaseiSalonメンバーインタビュー企画 No.1 長濱裕作さん 】


時間を取り戻す宿ーミヒャエル・エンデ著の『モモ』の世界観をコンセプトとして創られた「どこにもない家」。運営するのは、フリーランスライターで、コミュニティスペースの運営を行っている"ハマさん"こと長濱裕作(はがはまゆうさく)さん。
ハマさんも、Wasei Salonの大切なメンバーのお一人です。

ハマさんは、12年勤めた会社を辞めてフリーランスとして独立すると同時に静岡県掛川市にUターンし、2019年8月にゲストハウス「どこにもない家」を開業しました。

今回は、Wasei Salonの広報部メンバーである美月が、広報部活動の一環として、「働き方」「暮らし方」をも含めた「これからの生き方」をハマさんにインタビューさせて頂きました。

なぜハマさんだったのか。

それはハマさんの暮らしや働き方が、私にとっての理想像であり、かつあまりにも遠いところにいるよう感じたから。

仕事も暮らしも欲張りたい。
ワークとライフのバランスをとるのではなくて、ワークもライフも充実させたい。


このヒントを探るべく、「どこにもない家」を訪れました。


〈聞き手/ライター/編集=渡邊美月〉

〈写真=河合建〉



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【違和感を紐解き、自分や家族と向き合った結果がフリーランスへの道だった】
ー長年勤めた会社を辞められ、フリーランスになり、地方移住(Uターン)をしたきっかけは何ですか。
30歳くらいから、「このままこの生活を続けていても幸せにならなそうだな」という漠然とした違和感がありました。単身赴任をきっかけに自分と向き合う時間が増え、自分が望む道とは異なる道を歩んでいることに身をもって気づいたんです。家族とも相談し、35歳になってようやく決断ができました。

ーハマさんの望む道とはなんだったのですか。
家族みんなで楽しく、伸び伸びとした暮らしを実現すること。地価や物価など、コスパを考慮しても地方の方が良さそうだなと思いました。実は、自分たちの食べるものは自分たちでつくるような農的な暮らし、「半農半X」がしたいという思いがあったんですよね。

※半農半X…自分や家族が食べるだけの食料は自給農で作り、残りは自分の好きや得意なことで収入を得る生き方

ー会社員を退職してからフリーランスになるって相当な勇気と覚悟があったように思いますが、ハマさんの決断を後押ししたのは何でしたか。
最初は会社員の傍ら副業をすることも考えていましたが、本業で精一杯で他のことをやる余裕なんてありませんでした。今振り返ってみると当時は病んでいたと思いますね。
その時は、これをやりたいという明確なものもなかったです。ぼんやりと自然の中で子育てしたいな、というくらいの気持ちでした。それでも決断を後押ししたのは、「死と向き合うこと」と「妻の励まし」です。
「10年後死ぬとしたら、今と同じ選択をしているか」という問いを自分に投げかけたときに、現状のままで過ごしたら後悔すると思ったので退職と移住を決意しました。


【ガソリンのメモリが減るような不安を抱えていた駆け出しフリーランス時代】
ーフリーランスでの収入がない中での退職は、葛藤や苦労ももちろんあったと思いますが、いかがでしょうか。
収入の保証がなく、先々が見えないことが不安でしたね。会社員のように、先々の収入の保証、安定がない。駆け出しの頃は、心理的負担が大きかったです。収入の安定がないので、基本的には貯金を切り崩して生活していました。
現実的なお話をすると、フリーランスになって初月の収入は、2万6千円くらいです。会社員の頃は50万くらいあったので、数値だけで比較すると顕著でしたね。貯金も無限にあるわけではないので、ガソリンのメモリが減るように不安になっていました。選択肢として、転職して会社員に戻ることも選択肢としてはあったのですが、妻の励ましや支えのおかげで何とかやってこれました。

ーそれは相当な不安ですね。ご自身の心の状態を整えるためにされていたことはありますか。
収入を月ごとに記録して振り返れるようにしていました。前月よりも今月の方が収入は上がっていましたし、半年後にそれを見返してみるとキレイな右肩上がりのグラフになっていたんですね。過去の自分と比較して、明らかに成長はしていたので、安心することができました。
一方で、振り返ってみると実際に金銭面での苦労はしていないんですよね。生活は困窮していないし、実際に食べていけないとなったことは一度もない。ただ、自分で先々のことを考えて不安を生み出していたということに気が付きました。

ー人が感じる不安や心配事の96%は実際には起こらないと言いますよね。他に苦労されたことはありますか。
会社というコミュニティを辞めたことで「社会的つながり」を喪失したことも、苦労したことのひとつです。

会社を辞めてから、孤独感が最初のうちはあって、フリーランスコミュニティに所属していくことでマインドの安定感を得られるようになりました。
誘われてとあるコミュニティのイベントに参加することになったのですが、そこで出逢った方々が、僕の理想とする生き方を体現されていたんです。そこがひとつのターニングポイントとなりましたね。自分の好きに向かってシンプルに行動している方々を見て、それでいいんだと思えたんです。



【自分の価値や好きに気付き、ふれることで世界が広がった】
ーフリーランスの方が、どういうプロセスで人や仕事のご縁になっているかが気になります。
まず、自分の中の大切にしたい価値観を自分で言語化できているかが第一ステップだと思いますね。きっとみなさん今もたくさんの縁があるけれど、自分の中の価値観が明確でいなければ縁として結びつきにくいと思います。
自分の価値観を自分自身でキャッチすることができれば、自然に同じ価値観の人と交わり、それがご縁になっていく、そんな感覚がありますね。
もちろん、そのための時間は必要だと思っています。最初から確固たる価値観なんてないんです。僕だって、自信なんてまったくなかった。価値観といってもすぐに「自分の価値観はこれだ」という正確な答えはなく、それを人に話したり、試したりしながら鮮明になっていくのだと思うんですよね。だからこそ、ちいさくても行動だけは怠らないということを意識して時間を過ごすようにしてきました。


ー同じくフリーランスになったばかり(もしくはなりたい)人たちに向けてのアドバイスはありますか。
フリーランスになりたての頃は、視野が狭くなって、「自分にはこれしかない」といった気になって消去法的な選択をしていたと思います。
自分の「好きに気付く、ふれる」って向き合うために勇気がいることだと思っています。僕自身も、好きを仕事にするなんて理想論であり、途方もないことのように思っていましたが、結局は「好き」というフィルターを通ることがありたい姿を体現するための必須条件であり、結果として近道だったなと思っています。
新しいことにチャレンジするときは、経験したことがないから不安になります。でも、チャレンジという行為そのものが不安なわけではないと思うんです。
だからこそ、「まずやってみる」ことの効果が大きいと思いますし、振り返ってみたらたいしたことないことだったな、という出来事がほとんどだと実感しています。


【変化を後押ししたのは、「死」と向き合うことだった】
ー頭ではわかっているけれど一歩を踏み出すことはとても怖い。ハマさんご自身、どうやって一歩を踏み出したのでしょうか。
今思えば、“ちいさな選択や行動の積み重ね”でいつの間にか”大きな一歩”になっていました。
僕も最初は、「これっぽっちのチャレンジ」しか出来ませんでした。けれどそのチャレンジの積み重ねを踏み台にしていくと、いつの間にか大きな一歩になっていた、そんな感覚があります。
いきなり100点を目指そうとしないことは大事だと思います。

僕は、「だめだったらまた同じ会社に戻ればいいじゃん」って自分に言い聞かせていました。一方で、また同じ会社ではたらきたいと思うかどうかって考えたら答えはノーでしたね。
「挑戦してみて、うまくいかなかったら今の会社に戻りたいと思うか?」も、選択基準のひとつにしてみてもいいかもしれません。
また、死について向き合うことは、本質的な問いだと思っていて。「10年後死ぬとしたら、今と同じ生き方をするか」を僕は意識して選択しています。
スティーブ・ジョブズの有名なスピーチ「今日死ぬとしたら」をきっかけに死と向き合うようになりました。一方で「今日死ぬとしたら」だと刹那的な感情になってしまうので、「10年後に死ぬとしたら」が個人的にはちょうどよいレンジだなと思っています。
10年あれば経済的なことも考慮しつつ、まだ何かできる可能性もある。試行錯誤しながらも、現在は10年後死ぬとしても100%今と同じ生き方をしたいと言うことができますね。

ーフリーランスになってよかったことはありますか。
フリーランスになってよかったことは、資本主義の中での「サバイバル能力」が高まったこと。何が起きてもなんとかなるなという経験を積めたことは自信につながりました。
未来のことはわからないけれど、これまでの経験のおかげでなんとかやっていけると思っています。

ーありがとうございました。
次回はハマさんのゲストハウスや「暮らし」についてお伺いします。(後編につづく)




++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

◎ハマさんプロフィール
2017年 退職。田舎フリーランス養成講座へ参加。フリーライターとして独立。
2018年 家族とともに掛川へUターン。
2019年 ランサーズ「新しい働き方LAB」加入。ゲストハウス「どこにもない家」開業。WaseiSalon加入。NPO法人かけがわランド・バンク加入。
2020年 静岡のフリーランスコミュニティ「SHIZUFREE」立ち上げ。


Twitter:


ブログ:
note: