その方は人前で話すことが大の苦手だったため、「お話教室に通った」というエピソードを語っていたのです。
そして、そのお話教室で教えられた一番大事なことは「いつでも話せる準備をしておくこと」だったそうです。
このエピソード、サラッと語られていたのですが、とても重要なことだと思ったので、今日のブログでも触れておこうと思います。
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最近、Clubhouseが流行っていて、あのSNSの性質上、突然マイクを渡されて、話せる人と話せない人の差が歴然とあらわれますよね。
多くのひとは、突然振られてもしっかりと話せる人を見て、「このひとはきっと、頭の回転がはやいんだ」と思い込み、そもそも頭のスペックが違うと判断してしまいます。
でも、実際のところはそうではないんですよね。
常日頃から考える癖が付いているか否か、
そして、いつでも話せる準備をしているかどうかが本当の決め手なんです。
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思うに、突然マイクを渡されて、自分の考えをしっかりと主張できるひとは、「いま自分に発言権が回ってきたら何を話すか」という準備をいつも無意識のうちに行なっています。
一方、突然マイクを渡されて困ってしまうひとは、ただその場で繰り広げられる議論を眺めているだけだったりします。
きっと、テレビを観る習慣がそうさせるのでしょう。
テレビの場合、生放送であっても、突然視聴者が議論の中に引っ張り出されるということなんて、まず絶対に起こり得ないことですよね。
そうすると、どんどん自分が観客になっていく。
何も準備をせずに、目の前で繰り返される議論をただ眺めて、「好き嫌い」の感情的な感想だけを抱えていればいいことになる。
そんな習慣を繰り返していても、いつまで経っても人前で話せるようにはなりません。
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じゃあ、具体的に何を準備すればいいんだ?と思うかもしれません。
その場で即興で話すわけだから、結局は頭の回転の速さなんじゃないか?と。
でも、そうじゃないんです。
むしろ「日々どれだけ自分の考えを整理しているか」にかかっている。
僕の場合、突然話を振られたタイミングでは、必ずこれまで書いてきたブログの中から、今のシチュエーションに合った話をしているに過ぎません。
その場の話の流れに合わせて、少しだけ変更しているだけなのです。
この作業を料理に例えると、下ごしらえは全て済んでいて、最後の盛り付けだけをその場で行なっている感覚です。
つまり毎朝、このブログを書いている時間がまさに、その下ごしらえ(準備)の時間になっているのです。
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この点、キングコング西野さんは、毎朝ブログを書く習慣だけでなく、毎朝神社にも通っているらしいです。
そこでは、決して神に祈っているわけではなく、参拝をしながら話す準備をしているのだそう。
その話を初めて聞いたとき、なんて素晴らしい習慣なんだと感動しつつ、
だからこそ、あれだけの話術で日々大衆を魅了できるのだと心底納得できました。
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とはいえ「明日から毎日ブログを書いた方がいい、神社に参拝したほうがいい」と言われたところで、そんなことはできないという人が大半でしょう。
僕も、明日から毎日神社に通って訓練しろと言われても、自分には無理だなと感じてしまいます。
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だからこそ、そんな方にはオンラインミーティングやオンラインイベントに積極的に参加し、常に考える癖をつけることをオススメしたい。
テレビとは違い、もしかしたら自分に発言権がまわってくるかもしれないという、ちょうどいい緊張感がオンラインにはあります。
「もし、今の会話の流れで自分にマイクが渡されたら自分は一体なにを話すのか」それを、他者の話を聴きながらずっと考えておく。
また、オンラインのいいところは、チャット機能があること。そのため、話を聞きながら考えたことが決して無駄にならないのです。
発言権がまわって来なかったとしても、自分の中で考えたことは、そのままチャット欄に書き込めばいい。
実際、Wasei Salon内のオンラインイベントでも、誰かが話している最中に自分の意見がまとまったら、ミュートのままチャット欄に書き込むという文化があります。
これは相手の発言を遮るわけでもなく、自分の考えをまとめる機会にもなり、とてもいい訓練になると思います。
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最後に整理します。
人前での話のおもしろさは、
普段どれだけ自分の考えを整理しているのか、その反復訓練の回数と、
実際に突然マイクを振られて即興でその話を披露したことのある回数、
この掛け算でしかないと思います。
だからこそ、誰でも必ず鍛えられます。
僕自身も人前で話すことは大の苦手でしたが、ブログを書く習慣によって救われました。
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人前で話すことに苦手意識がある人ほど、普段から意識的にいつでも話せる準備を心がけてみてください。
きっとその苦手意識は、数年でキレイになくなると思います。
今日のお話がいつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、何かしらの参考となったら幸いです。