「日本のNFTイベントは、ことごとくダサかった」という話が最近話題になっていました。
発言した方の言いたいことやその趣旨みたいなものもよく分かる一方で、ダサいからいいんじゃないか、と個人的には思ってしまいました。
ダサかったから、国内NFTは2024年現在も生き残っていると思うんですよね。
これはたとえば、初期のAKB48が秋葉原の小さい劇場でやってたころと比較してもわかりやすいかと思います。初期のAKBなんてずっとダサかったですよね。
日本のコンテンツ文化は、そんな秋葉原とかオタクとか、一般的な価値観から見たら、目を細めたくなるぐらいにダサいところからしか生まれてこない現実というのは、間違いなくあるかと思います。
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一方で、当時からカッコよかったもの、AKBのようなアイドル文化だったら、たとえば沖縄アクターズスクールのようなイケてるカッコいい雰囲気でやっていたらどうなっていたか。
実際にそんなふうにイケてる風でやっていたアイドルグループは、ことごとく消えていったと思います。今だったらたぶん、K-POPのようなものもきっとそう。
個人的にはそのような現象と、ほとんど一緒だよなあと思いながら眺めています。
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そして、この「イベントやクリエイティブがダサい!」というマウントを見かける度に朝ドラの『あまちゃん』のセリフをついつい思い出してしまいます。「ダサいくらいなんだよ、我慢しろよ!」ってやつです。
繰り返しますが、その時代にかっこよかったもので残っているものって意外と少ないんですよね。
きっとダサさって、視点を変えれば、ひとつのハードルの高さでもあって、ダサいのに熱狂できるところに「わかっている者同士」という結束力なんかも、自然発生的に生まれてくる。ファッションのジャンルにおいてもまさにそうです。
そこにある種のハードルがあるから、結果的に選抜された人たちが集まってくるという構造があると思うのです。
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最近のこのブログの話で言えば、相手の「理解責任」みたいなものも、提供側から受け手側にある程度自然と求めることができる。
一方で、最初からカッコいいというのは、説明責任を果たしすぎたコンテンツであって、誰にとってもわかりやすいがゆえに、有象無象の人々が、最初から集まってきてしまう。
でも本当は、小さな狂った熱狂のほうが結果的に「普遍」となると思うんです。
昔、とあるラジオ番組の中で田中康夫さんが流行が普遍へと移り変わる順番は「ファッド→ファッション→スタイル→トラッド」の順番に昇華していくという話をしていました。
イノベーター層でコミュニティをつくっているような「ファッド」の段階においては、ファッション(つまり誰が見てもカッコいい流行)を取り入れるのは、むしろ逆効果だなあと僕は思います。
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この点、今のNFTの流れ、特にクリプトニンジャやCNPの流れなんかを端から見ていて思うのは、最初から日常的にテレビを観ているマス層を巻き込まなかったこと(厳密には技術的難易度が高すぎて巻き込めなかったこと)が、結果的にめちゃくちゃ功を奏しているなあと本当に強く思います。
まさに塞翁が馬。
このすべての人々が簡単にすぐにつながってしまう時代に、すぐにつながらなかった。つながることができなかった。
でもそのおかげで、しっかりと特定の人々だけで熱量を高められた文化みたいな印象は間違いなくあったんだろうなあと。
逆に言うと、一般的なオンラインサロンは、なぜ失敗したのか?
それは、観念の世界においてはめちゃくちゃ上手くいきそうだったのだけれども、その参加ハードルが低すぎて、ひとはたくさん集まったのは良いけれど、最初から理解力が低い人も同時に集めちゃったという構造にあったからなのかもしれない。
最初から、ファッションとなっていたことがあまり得策じゃなかったんでしょうね。
先ほど書いた「ファッド→ファッション→スタイル→トラッド」のきっと「スタイル」ぐらいのフェーズ感で、世の中にシームレスにつながって誰でも参入できるようになることが大事なんでしょうね。今のSNSやnoteの文化みたいな感じです。
また、NFTの仕組みの複雑さゆえに、結果的にそうなっただけだから、いやらしさみたいなものがなかったのも本当にすごく良かった。
過度に選民思想的にならず、排他的にならなかったことも、本当に結果論ではあるのだけれども、素晴らしいことだったなあと思います。
言うなれば、多様性と寛容を認める文化を推奨し、扉は完全に開かれていたけれど、その扉に到達できるひとは、本当に限られていたというような。
そして、2年以上経過している現在であっても、そのハードル自体はまだあまり下がっていない。
「そのような状態は新規が参入しにくい」とネガティブに語られることが多い状態なんだけれども、実はそれが一番功を奏しているんではないか、というのが、最近の僕の仮説です。
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で、ここで話が少しずれてしまうのだけれども、先日ちきりさんがVoicyの中で「ストップ詐欺被害!私は騙されない」という番組の若者版が必要ではないか?というお話をされていました。
この話は、本当にそのとおりだなあと強く思います。
現代の著名人の詐欺広告からホス狂いなんかも含めて、ほんの少し知識があれば、そのようなわかりやすいお金の詐欺にハマらずに済んだはずなのに、その知識がなかっただけで、簡単に引っかかってしまったという事案は、世の中にどんどんと増えてきています。
若い人たちが、詐欺の手口を学ぶ機会もあまりないわけですよね。
そして騙したり、詐欺したりする方法も日々進化していて、どんどん多様化してきている。
新しいテクノロジーが出てくれば出てくるほど、学ぶ人間と学ばない人間の落差は広がっていくばかりで、そのリテラシー格差は開いていく一方です。
つまり、より一層、騙しやすくなってしまう。次々に新しい手法が出てきつづけるのだから、詐欺被害を啓蒙活動をする方も、常にアップデートが求められていくわけです。
これは完全にいたちごっこです。
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でも、だからこそ、若い人がこのちきりんさんのアイディアのようなもので起業をして、今話題の日本政策金融公庫なんかで融資を受けて、動画やコンテンツ制作をする事業を始めたら、かなりスムーズにいい線いきそうだなと思いました。
公共の福祉に資することだから、役場やそこに務める役人の人たちも、本当に好きそうな話題でもある。
地域行政とのタイアップなんかも、すぐに実現できてしまいそうです。
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で、それこそこの「ストップ詐欺被害!私は騙されない」の若者版を、クリプトニンジャなどのNFT発のIP群でつくって、それがTikTokとかで流れていたら、すごくおもしろいなあと思います。
映画館で流れる「NO MORE映画泥棒」みたいに投資詐欺被害防止をNFT発のキャラクターが啓蒙しているのは、一周まわってめちゃくちゃおもしろいんじゃないかなあと。
これまで怪しかったものが、一気に正義の味方に見え始めるでしょうから。ホワイトハッカーみたいな。
さらに、中高生向けの金融教育のメインキャラクターが、NFT発のIPでつくられてあって、それが仮に学校の教材として用いられるようになれば、彼らが将来的におとなになって、一番最初に投資に触れようと思ったとき、まず最初の選択肢になるのは、真っ当に開発が進んでいる国内のNFTになるのでは、とも思います。
そうなると、ここから10年後ぐらいに一気にガラッと雰囲気が変わりそうだなあと。
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話を戻すと、ダサさを排除して、マスのかっこよさを求めてしまうと、あまり賢くない大人を、数万人単位で集めることになってしまう。
その数字や規模は、パッと見なんだかすごそうに見えるんだけれど、それだと「価値を高めていく」現代のトークンエコノミー型のコミュニティとは、実はかなり相性が悪いんだと僕は思います。
それよりもむしろ、10年後に社会に出てくる賢い子どもたちと一緒にエンゲージメントを築いていたほうがいいと思う。
先日、イケハヤさんがVoicyの中でクリプトニンジャにまつわる企画は時期的に後ろにズレたらズレた分だけいい、という話をしていましたが、それには本当に同意で、だったら、もっともっと後ろにずれたときに、そのタイミングでちょうど大人になってくる今の子どもたちを、今から啓蒙して仲間に引き入れたほうが良さそう。
最近だと、N高とかちょっと普通とは違う教育を行っている学校が社会の中に増えてきているなかで、彼らの印象の中で詐欺ではない正義の味方は国内NFT発のIPというような存在になったらすごい。
いわゆるアンパンマンとかドラえもんとか名探偵コナンのポジションを取っていったら本当にすごいなと思います。
もうこの時代においては、地上波で放送されている必要もないわけですから。その権威性みたいなものを、今の若い子たちは求めないし、それがないからって決して怪しまない。それはヒカキンがすでに証明してくれています。
結果として、スター・ウォーズで言うところのジェダイ的なポジションをここで取れたら本当にすごいことだと思う。
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最後にまとめると、何か一般的にセンスがあるように見えるものにしてしまうのは、今は逆に悪手な気がしていて、むしろ最初はダサく小さな熱狂をつくることのほうが重要だなあと。
ゆえに僕は国内NFTのイベントは、もうしばらくダサいままであれ、そのかわり会場の熱狂を大切に!と思ってしまいます。
何より純粋に僕自身がそのようなプロジェクトに対して投資をしたいと思うから。
「ストップ詐欺被害!」のコンテンツ制作に関しても、FiNANCiEでそのような資金集めをしたら結構な支援も集まってしまいそうです。
国内NFTコミュニティの取り組みが、国内の若者向けの詐欺被害件数を激減させました、という未来が訪れたら本当におもしろいなと思います。
みなさんも、くれぐれも怪しい勧誘などにはお気をつけください。
コミュニティの時代であるということは、ありとあらゆる勧誘が、跋扈する気が抜けない時代でもあるわけですから。
いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。
2024/04/06 21:29