不思議なことではあるけれど、自分の居場所が欲しければ、まずは目の前のひとの話を真剣に聞けばいいと思います。

一方、自分の居場所が欲しいがゆえに、自己の話を延々と繰り返すひとは、どこに行っても煙たがられる。

その結果、いつまで経っても自己の居場所も得られずに、仕事もコミュニティも転々としている印象です。

そうすると、自分の話が聞いてもらえらないことにますます不安が募り、ドンドン鬱状態になっていく。

大切なのは、まず自分から聞くことなのだと思います。

聞き上手なひとほど、自分の居場所には困っていないですし、いつもとっても満足そう。

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では、自分の話したい欲求を抑えて、目の前の相手の話に全力で耳を傾けるためにはどうすればいいのでしょうか。

この点、自分の話をすることは、どうやらものすごい量の快楽物質が体内で発生するそうです。それはすでに科学的にも証明されていること。

だから、自分の話はやめられない。

僕が思う一つの解決策としては、自分の言いたいことは、毎日ブログに書きつけることです。

自分は、この習慣により自己の話したい欲求をできるだけ抑制し、コントロールすることができるようになりました。

ただし、やっぱりブログというのは花が咲くまでにかなりの時間がかかり、砂漠に水を撒いているような気分になってしまう。

ふとした瞬間に「これは誰が読んでくれるんだっけ…?」と虚無感に襲われてしまい、なかなか続けることができません。

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思うに、現代は「お互いに聞き合う関係性」が著しく欠如している時代なのだと思います。

「金融」というシステムが、一部の富裕層に「お金」という富を集中させてしまったように、

「SNS」や「インターネット」というシステムが、一部の話し上手な層(富裕層)に「話す時間」という富を集中させてしまった。

「話す時間(自己表現)」はお金と同様にそれを得られるだけで快楽を感じ、人間なら誰しもが欲するもの。

だからこそ、より多くを持つものが、より多くを得られる仕組みを作り出してしまった。

この時、金融システム以上にトリクルダウンのような効果は見込めません。

話す側と聞く側の立場は、ドンドン固定化する一方です。

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ゆきすぎた富の偏りは、それらを均一化していくことにきっと大きな価値がある、僕はそう考えます。

上述した「自分の話ばかりを繰り返すひと」も、他者にゆっくりと話を聞いてもらえるような機会があれば、自然と聞く側に回るようになる。

なぜなら、他者から必死で奪わなくても良くなるからです。

いつもそこに潤沢にあるものだと認識することができれば、わざわざ独り占めする必要はなくなる。

だとすれば、「聞いてもらえる時間」が潤沢に存在する場があればいい。

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この時に非常に重要なことは、そこに集う者同士がお互いに「贈与」の感覚を持てるかどうかです。

「お先にどうぞ」「私も与えてもらったから」

そうやって「時間」でさえも、贈与し合える文化がそこに根付いているかどうかが、非常に重要になってくるのだと思います。

自分が使った分を、また他者に贈与していく。

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夢中で話している時には、きっとそのことには気づかないでしょう。

でも、幼い子供が大人になって初めて、親が自分の話をずっと聞いてくれていたことに気づくように、

そこでしっかりとした満足感が得られれば、自己に与えられた贈与(聞いてもらえる時間)が親から自分に与えられたのだと自然と発見していくはず。

何を話したかは忘れても、そのときの感情的な記憶は一生涯忘れません。

そして、自分もまたあのときあの場所で与えてもらった豊かな時間を、他者に受け繋いでいこうと自然と思えるようになるはずなのです。

むしろ、そうしないと気持ちが悪い。

だからこそ、人間は子孫をつくるのだと思います。自分が受け取ってしまった贈与を次世代につないでいくために。

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ここまで読んでくれた方の中には、

「でも、俺は他人のつまらない話など聞きたくない!」

そう考えている人もきっといるはずです。

しかし、それもきっと心持ちひとつで変わることなのです。

つまらない話なんて、この世には存在し得ない。

お金のない貧乏な暮らしが、いついかなるときも不幸かといえば、決してそうではないように、

つまらなく(不幸に)しているのは、いついかなる時も己の心。

どんな状況下であっても、そこに興味と発見を見出せば、世界はいつだって100%おもしろい。

そこで知識や知恵を持ち合わせていると、おもしろがれる可能性はぐんと広がる。

教養とは、そのための便利な人類の叡智であり、一度身につけると絶対に他者から奪われることのない道具なのだと思います。

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ゆきすぎた偏在化する富を均一化していきたい。

そのために自分は、このWasei Salonも運営しているのだと思いました。

奪い合わず、与え合えば、もう十分に足りているはずなのですから。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても今日のお話しが何かしらの参考になったら幸いです。


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