先週末、こんなツイートをしてみました。



「こんなに素晴らしい商品なのに、なぜわかってくれないの…!これだから都会のひとは!」って不満げなひとは多いです。

でも、もともと都会の人だったあなた自身が感動し、これを商品化して販売しようと思った一番の感動ポイントが全て排除されてしまっている商品なのだから、初見のひとがその商品に対して共感できるはずがないのも当然のこと。

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「なぜ私は、最終的にコレが良いものだと感動し、商品化したいと思ったのか」その経験の過程のほうこそ重要で、本来商品化するべきは、そっちなんですよね。

具体的には素材集めだったり、現地の職人さんとの交流だったり、風土との関連性を発見してコンセプトを策定している時間だったり。

にもかかわらず、移住して起業したひとたちは、その体験後に生まれた「出がらし」ばかりを小洒落たデザインとパッケージに包んで販売してしまう。

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自らが地域に移住し、自然に囲まれた空間の中でやっと念願だった「生産者」側にまわれたと実感しているそんな「お店屋さんごっこ」というのはむしろ、梱包業者やカメラブランド、SaaS系企業にとっての最高のお客さんであり「消費者」のままだったりする。

都会に暮らしていたときと何ひとつ変わっていない。

だからこそ「本当の価値や商品とは何か」を考えることは忘れないようにしたいなあと。

2011年以降、早いタイミングから地方に移住して、SNSでインフルエンサー化し、ECサイトもうまく回っているようにみえる人が書いたnoteの有料記事なんかを買って、100人単位で開催される有料のオンラインセミナーにも参加して、そのやり方を自分も地方移住して再現しようとするのは、広義の「ネットワークビジネス」そのものですから。

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さて、ここからはちょっと話は変わって、近年の「消費」の変化について書いてみたいと思います。

思うに、昔は単純に物質的な商品を「消費」している時間が「いい時間」でした。

商品が手に入るまでの面倒事はすべて他人におしつけて、すべてがお膳立てされたものを「消費」できることが最高の贅沢である、と。

その消費というのは、それこそお金さえあれば何でも手に入ってしまう。「世の中、お金で買えないものはない」という状態にもなり得たのが、80年代のバブルから2010年代ごろだと思います。

ただし、それでも満たされない人間の「心」というものがあるのですよね。いまジワジワと価値が高まっているのは間違いなくそちらのほうだと思います。

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この点、ほぼ日の24周年記念で配信されていた24時間連続のYouTube Liveで、最後に糸井重里さんが社員のみなさんのまえで、ほぼ日は「いい時間」を扱っている会社だと語っていました。

「あくまで物販や小売業というのは、その手段に過ぎない」と。(※僕の意訳です)

つまり、この「現代における、いい時間とは何か?」ってことなのだと思います。

お金で買えてしまうものは、ことごとく「いい時間」が付随していない。ひとがつくったものには自分なりの愛着や思い出は存在していないのです。

むしろその消費に至るまでの過程のほう(お金では買えないことのほう)の価値がグングンと上昇し、大きな価値を持ってきたのが2022年現在なのだと思います。

だからこそ、わざわざ自分も地方に移住してまで、そのような事業を立ち上げてみようと思ったわけですよね。多少の面倒事や、世間との摩擦が生じるとわかっていたとしても。

そんな生粋の消費者だった私の変化、その事実のほうにしっかりと目を向けること。私も大衆のうちのひとり、なのですから。

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昔ながらの「消費」的な発想で、価値はすべて「使用価値」として商品に内在していると思うと、きっと大きなことを見誤ります。

「価値」が目まぐるしく変化している現代において、ストレスのなさそうに見える「生産行為」こそが、人々が求める本当の「消費」なのだと思います。(ひとが自らの時間とお金と労力を惜しみたく投じて実現したくなるものという意味)

そこで、生み出された「出がらし」のような物質的な商品を消費する時間というのはむしろ、一瞬の快楽だけを与えてくれるだけで、あとは健康を害するものばかりだということが完全にバレてきた。(それは大抵の場合、砂糖、小麦、アルコールなどを大量摂取するものだから)

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たくさんの経験を通して、こんなにも豊かなものがあったのかと再発見していく。

そして、私たちが気づかぬうちに何から疎外されていたのかに気付くこと。そんなふうに「はたらく」の本質的な楽しさや豊かさを問い続けることが、いまものすごく大切なことだと思います。

そこで得られる発見こそが、これからの価値であり、本当の商品になり得るものだと思うから。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。