お金とは何か。

「信用」を可視化するための物質であり、ツールですよね。

これは「お金」のことを少し考えてみればすぐにわかることですが、「お金」という何か「使用価値」のあるものがこの世に存在しているわけじゃない。

あくまでも僕らはそこに、何かしらの価値を表象しているだけです。

つまり、「お金」とは「うつわ」なのです。

昔はその「うつわ」としての機能が、貝や宝石、金(ゴールド)やお米だった。

現代の「紙幣」や「硬貨」、デジタルの「数字」は、その人間の背後に存在している「信用」を可視化しているだけに過ぎないのです。

だからこそ、クレジットカードという仕組みも成立しているわけですよね。

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そこにいま、ブロックチェーンという技術が生まれてきて、お金の「信用のうつわ」としての価値、その座が奪われつつああります。

むしろこれからは、ブロックチェーンの履歴、その「美しさ」のほうが、信用そのものになりそうな雰囲気にあります。

つまり、「静的」なものから「動的」なものへと移り変わっていると言ってみても良いのかもしれません。

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じゃあ、なぜこれまで「お金」という「静的な数字」に個人の信用を付加していたかと言えば、それは「そうするほかなかったから」だと思います。

つまり、そこに一定の信頼性を担保しようという、社会の中での「共同幻想」が存在していただけなのです。

もっとわかりやすい言い方をすれば、「大金を持っているひとは、それだけ社会に良い影響を与えているであろうと見做そう」としたわけです。

その理由は、お金を沢山稼いでいるという状態にあるひとは、その蓋然性が高かったから。

もうひとつは、そもそも「信用」を積み重ねたという履歴を第三者が保証する形、社会に信頼性のある形で履歴を追いきれなかったから、です。

でもみなさんご存知のように、そのように続いてきた百数十年の中で、たくさんのチートやハックも生まれてしまいました。

当然ですよね、もともと穴がある仕組みだったのだから。あくまで「そのように見做そう」という共同幻想でしかなかったのです。

その手法を詳しくは記載しませんが、社会に対して良い影響を与えていなくても、大金を稼ぐことはいくらでも可能になってしまっているのが現在です。

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でも、ここで改めてよくよく振り返ってみてください。

なぜお金が生まれたのか、を。

「お金」という「うつわ」を使って僕ら人間が本当に知りたかったこと、可視化したかったことは「信用」だったはずです。

そして今、ブロックチェーン技術を用いた「ウォレットの履歴」、その美しさのほうが、個人の信用をより一層「生(ナマ)」に近い状態で可視化できるようになってきているわけです。(これを「なめらかな社会」と表現をする人もいます)

そんなふうに社会が変わろうとする中で、従来どおり紙幣(円やドル)のほうが価値があると思って、その数字を増やすことに躍起になってしまうのは、本当に滑稽なことだと思います。

今まさに、紙幣に代替されるもの(うつわ)が生まれてこようとしているなかで、その技術も着実に生み出されてきているのにも関わらず、その「履歴の美しさ」を犠牲にしてまでも、お金のほうに執着するのは愚の骨頂だと思います。

喩えるならそれは、もう明治時代に入って新しい紙幣が発行され始めているのに、まだ「お米のほうが価値がある!」と思って、紙幣を貰える権利を捨て去ってまでも、お米を独り占めしようとしているような状態だと思います。

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これからは、「ウォレット履歴の美しさ」こそが、信用に足るひとになる。

そのときに預金通帳内の「お金」の多寡は関係なく、そのまま直に周囲から信頼されるようになるはずです。それがまさに「トラストレス」ということなんだと思います。

僕が最近になって「壮大なマシュマロ・テスト」という表現を用いて、ずっと必死で伝えようとしていることは、まさにここの部分なんですよね。

お金が増えるとか、お金が減るとかそういった短絡的な理由で、この自分の「信用」を毀損してしまうのは、まさに百害あって一利なし、そんな時代に入りました。

金銭的なメリット・デメリットで行動するひとは、それだけで逆に損をしている状態です。

それはTwitter上で、キャンペーン系のツイートをすぐにRTして、PRアカウントをフォローしてしまうひとたちのリストが取られているのと、全く同じ構造。

本人としては「自分はものすごくお得な行動をしている!」と信じて疑わないのかもしれないけれど、淡々と選別されてしまっているわけです。

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私は何をどのように応援しているのか、その行動基準がすべて見透かされる世界がやってくる。

「ライフスタイル」よりも「ライフスタンス」が見抜かれる時代です。

参照:大切なのは「ライフスタイル」ではなく「ライフスタンス」、つまりは生き方である。    |    中川 政七 × 深井 龍之介|株式会社COTEN|note

お金の奥にある「信用」って、結局は何のことなのか。

それをひとりひとりが徹底的に考えて、時には「社会の常識とはまったく異なる行動を取る勇気」が本当に重要になってきました。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。

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「声のブログ」Voicyも毎日淡々と更新しています。ぜひ合わせて聴いてみてもらえると嬉しいです。