最近、「100分de名著」岡倉天心の『茶の本』の回を見ています。

参照:‪100分de名著 岡倉天心“茶の本” 第1回 茶碗に満ちる人の心 -NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2014055358SA000/?capid=sns002‬

そこで頻繁に出てくる概念が「未完の美」。

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近頃よく語られる話ですが、AIが発達してきて、身の回りにロボットが増えてくると、人間に作り出せるのは「エラー」だけになるという話。

そのエラーが、人間の生み出せる唯一の産物であり、それこそに価値があるのかもしれない、と。

ただ、どうしても僕らはその「エラー」や「バグ」をなるべく最初から排除しようとしてしまいがち。

何か不測の事態が起きたときにも、とにかくそれを覆い隠そうとしてしまう…。

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でも、これからの人間らしさが「エラー」や「バグ」だとしたら、そこにもっともっと目を向けてみてもいいのかなと。

そうすれば、予定通りにいかないことが起きたときにも慌てずにいられる。

むしろそれを楽しもうとさえ、思えてくるはずで。

しかも、力技でなんとか乗り越えるのではなく、その事象や力のベクトルを、あえて利用してみようと思える。

上述した岡倉天心の『茶の本』に出てくる概念で言えば、「自他一体の境地」を目指すような感覚にも近いのかもしれません。

目の前の状況を、ただただ受け入れる。

そこから、そのモノが持つ力、本来の価値を見出すように努めるだけでいい。

案外、それぐらいの力の入れ具合で良いんだろうなあと思います。

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そして、振り返ったときにその過程こそが「情緒的な価値」になり得る。

いま流行りの言葉でいえば、「意味」だったり「企業文化」に変化していったりするのかなあと思うんです。

そして、エラーやバグというのは当然ですが、変数が多ければ多いほど、自然と生まれてくるもの。

企業の枠を超えたチームづくりや、オンラインサロンのようなコミュニティは、その片鱗を無意識的に感じ取った上で生まれてきた兆しなのかもしれません。

何はともあれ、極東に住む日本人という僕らが唯一世界でも戦える可能性を秘めているジャンルだと思います。

このWasei Salonも、自然と生まれてきたエラーやバグを積極的に受け入れていくことができるような場所にしていけたら嬉しいです。