まず第一段階として、自分が無意識のうちに抱え込んでいる「こうでなければならない」という理想像や強迫観念に対して自覚的になること。
ただただそれを観察してみて、自分の中にある無意識の理想像に気づけるように。
具体的には、「なぜそう思うのか?どうしてそう考えるのか?」を何度も繰り返し問い直し、自分の内側を深ぼっていくのです。
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そうすると、自分が一体何に対して無意識のうちに執着していたのかが理解できるようになってくる。
それが思いのほかバカバカしく思えてきて、途端に笑えてくるかもしれません。
そうしたら今度は、そのバカバカしさに対してしっかりと向き合い、安易なニヒリズムに向かわずに、この世のすべては「空」であることを理解していく。
これが第二段階です。
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そのうえで今度は改めて、まるでゲームをするような感覚で楽しみながら、形あるものはすべてが「空」であることを前提に、自分が本当に理想だと思える姿を再度追い求めてみる。
この理想自体が、以前と変わっていても、変わっていなくてもどちらでも構いません。
大切なことは、幼いころの「ごっこ遊び」のような感覚で全力で取り組めるようになること。
そうすると、今この瞬間、この場がすべて「舞台」に変わり、全力でなりきれるようになるはずだから。
形あるものすべてが「空」であることを感覚的に掴めれば、逆説的に、形あるものすべてに役割があることも理解できるようになります。
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思うに、理想に向けてがむしゃらに突っ走る姿は、その外見だけをみると、全く同じように見えてしまいます。
しかし、この第一段階と第二段階のステップを経ているかどうかで、その内実はまったく変わってくる。
20代のころは、このことが一切理解できていませんでした。
仏教では、このような段階を踏む考え方を「空観、仮観、中観」という考え方で説明するようです。
詳しく知りたい方は、ぜひ一度ご自身で調べてみてください。
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2020年、コロナの影響で環境がガラッと変わり、最近なんとなく感覚的に掴めてきたことをこのブログにも書き残しておきました。
いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても何かしら気づきにつながれば幸いです。