4年ぶりの定住生活を始めて、数日が経ちました。

固定の家があるっていうのは、本当に感動的なことで、家があるというのは本当に便利だなあと改めて強く実感しています。

家が無くても全然生きてはいけるけれど、家があればQOLは間違いなく爆上がりする。

そんなことを、ここ数日は毎日体感し続けているのだけれども、ただこれまでの定住生活と「何かが違う…」とも一方で感じています。

確かに、家がない状態から、家がある状態になったので、そこに感動するのは当然のことなんだけれども、それ以上の驚きが、自分の中にあるなと。

で、それが何かをモヤモヤと考えていたところ「そうか、お家時間か!」と思いました。

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この点、僕が無拠点生活を始めたのは、今から4年前の2019年12月。

当時はまだコロナ前だったので、「お家時間」という概念自体がまったく存在していなかったです。

でも、この4年間の間で、お家で過ごすことに最適化されたモノやサービスが、本当に雨後の筍のように生まれてきた。

つまり、この4年間というのは、他のどの4年間とも全く異なる形で、コレまでにはなかったような隔世の感があるのも当然のことだよなあと。

そりゃあ、浦島太郎現象みたいなものさえ感じてしまうわけです。

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で、具体的には、お家にまつわるありとあらゆることのIT化が一気に進んだ感があるなと感じます。

たとえば、通販サイトひとつとってもその進化は凄まじいです。届くスピードもさることながら、置き配などの受取手段の充実、LINEやメールによる届いた後の事後対応も完璧です。

あとは、住まいに関する様々な手続き関連もインターネット上で、すべて手続きや予約ができる。

ものすごく細かな部分ですが、東京ガスのアプリとかも、昔はなかったと思います。このあたりの細かな改善が本当にすごい。

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さらに、ありとあらゆる家電に、タッチパネルが搭載されていて、IoTを意識した商品が本当に多いなあと。スマホ連携も当たり前となっている。

これは完全に余談ですが、とはいえほとんどの家電にはこのようなタッチパネルは不要だと思いつつ、洗濯機のタッチパネルだけは、マジですごかったです。

これがあるとないでは、本当に大違いだなあと思いました。もともと洗濯は好きだったけれど、より一層洗濯が好きになってしまいそうです。

これは、ぜひみなさんにも試してみて欲しいところ。

あの物理ボタンだらけでわけがわからない洗濯機と、タッチパネルがある洗濯機は、全く別物で、コース選択なども一気にわかりやすくなって、個人的にはめちゃくちゃ感動してしまいました。

ちなみに僕が購入したのは、イケウチオーガニックさんがタオルの洗濯コースを監修しているパナソニック製のものになります。

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で、話をもとに戻すと、モノやネットワークの進化だけではなく、さらに配送業者のひとたちの対応なんかも激変していて、やたら丁寧になったなあと思います。

それは、大型家電を運んでくれる家電量販店の配送担当の方々や、ヤマトや佐川の業者の方々もそう。

以上のように、この4年間で本当にありとあらゆる角度から「お家時間」のイノベーションみたいなものが一気に進んでいる感が強くあるわけです。

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きっと、ここまで読んでくれている大半の方々にとっては、何を今更という話なのだと思います。

徐々に変化してきたひとたちにとっては、たぶん意外とわからない変化なのだとも感じる。どれも地味ではありますからね。

ひとつひとつは些細な改善であって、総合的に一気に体感しなければ伝わらないような変化だとも思います。

ただ、このようなポジティブな変化を体感してもなお、日本の家電業界は完全に遅れているなあと、思わされることもしばしばでした。

というのも、今回、新たに新型のルンバも購入したのですが、ルンバはやっぱりスゴい。

まったく設定や、使い方に迷わない。スマホ連携も非常にスムーズです。分厚い取扱説明書も存在しない。

もはやアップル製品なんかよりも、より直感的に使えるんじゃないかとさえ思いました。

本来、家の中にある家電は、これぐらいのことができるはずなのに、それがまったくできていない日本の家電メーカー。分厚い取扱説明書も健在です。

ユーザー目線がまったく存在しなくて、家電メーカーのご都合主義だったり、縦割りの思想でつくられていることが、素人でも理解できてしまって、同じメーカーで揃えようというインセンティブさえそこに存在しない。

最近、この家電の業界の実情を理解するために『東芝解体 電機メーカーが消える日』という本のオーディオブックも合わせて聴いてみたのですが、その内実は想像していた以上に悲惨でした。

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ただ、それでもなぜ、未だに日本の家電メーカーが売れ続けているのかも、今回の体験でなんとなくよくわかったのが、大きな発見でもありました。

それは、日本人の「ひとあたりの良さ」が別格だからです。

逆に言えば、縦割りになってしまって、全くユーザー目線が存在しないところを人(つまり接客)の力でカバーしている。

現場販売員の人たちや、コールセンターのひとたち、さらにYou Tubeで解説動画をつくっているひとたちが、本当に職人技のようだなと。

エンドユーザーのひとたちとのタッチポイントで、なんとか無理やり稼いでいるような状態なんだと改めて実感した次第です。

旅行における空港やJRのみどりの窓口、ホテルの受付なんかもそうですが、「あー、結局この人当たりの良さなんだ、日本の強みは」と思いました。

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たとえば、冷蔵庫を買うときに、国内メーカーと海外メーカーの違いが、僕には何なのかがまったくわからなかった。

一番ハイエンドのモデルには、確かに庫内にカメラがついていたり、最先端のテクノロジーが搭載されている感じはあるのだけれども、300L代の冷蔵庫に関しては調べてみても、大した違いが感じられない。

ソレにもかかわらず値段は国内メーカーが倍以上。この価格の違いは一体何なのか。

家電量販店の方に直接その理由を聞いてみたところ「今は海外メーカーも、性能デザイン共に良くなっている。最終的にはメーカー保証や、アフターケアの対応の違いですね。」と言われてしまいました。

「えっ、たったそれだけで、倍の値段!?」と驚いたんですが、ただ、こうやって様々な手続き関連を体感してみると、確かにアフターケア自体を売りにする理由もよくわかるなあと。

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さて、話をまとめると、日本の家電は、ITへの対応が本当にグズグズです。

でも現場の対応、そのホスピタリティは凄まじい。たぶん世界一だと思います。一方で海外メーカーは、ここが完全に弱い。

もちろん、現場の対応者各人の裁量権の限界はあるから、裁量権以上の対応を求めてみても、暖簾に腕押し、糠に釘状態なのたけれども、サービスの範囲内においては、凄まじいホスピタリティだなあと、改めて感動しました。

これは日本企業のお家芸といえるところなのでしょうね。

でも問題は、果たしてこれもいつまで持つのか、ということです。

だって、これからは、ここにAIが必ず活用されるようになるわけだから。AIは人間以上に、人間らしい対応をしてくれるようになるのも、もう本当に時間の問題です。

そうなったら国内メーカーや国内企業の強みは、本当にほとんどなくなるだろうなあと強く実感しました。

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最後にこれは蛇足ですが、この4年間で「お家時間」がこれだけアップデートされたということは、お金の流れ的に、ここからの数年は旅行のイノベーションが一気に始まる。

旅行における今まで不便だったところが、これからドンドン便利になっていくはずです。きっとITやAIの活用も、もっともっと盛んになってくるはずです。それが個人的には、ものすごく楽しみ。

ただ、もしこのときに、日本の家電的な進化をしてしまったら、めちゃくちゃ不便だと感じられるような、残念なアップデートにもなってしまいそう。

そして、実際には既にそうなりつつあるような気もしています。くれぐれも観光面では同じ失敗を繰り返さないで欲しいなあと強く思いました。

変な話ですが、現場のおもてなしやホスピタリティを魅力にし過ぎないこと、現場に頼りすぎないということが、本当に大事なんだろうなあと思います。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。