このブログは、Wasei Salonアドベントカレンダー企画「この1年の働くを振り返ろう」のエントリーブログです。


和歌山という土地に引越ししてきて、わたしのはたらくはガラリと変わってしまった。

これまでは、「オンライン中心で転勤にも対応できるように…」と「どうせまた数年先は転勤。」と、仕事も人付き合いも予防線をはっていた気がする。

地域コミュニティにどっぷりと浸かってみたら、仕事も子育ても友だち付き合いも、半径3メートルで巡り広がる日々がおもしろくて、そんな思い込みは必要なかったということに気がついた。和歌山の地域コミュニティがこんなにも私をイキイキさせてくれるとは。棚ぼた。

パパの育休の効用


娘が5月に生まれて、パパの育休がはじまった。来年の3月までの9ヶ月。ながい。ずっとパパが昼間家にいる生活は、老夫婦のようで、ぎこちなくもあったのだけれど、家族の時間と、個人の時間と、ふたりの時間を1日の中に組み込むことで、だんだんとお互いのリズムが掴めてきた。

生後半年になる娘は、穏やかに育っていて、まわりのママ友に驚かれる。理由なく泣くことが、ほとんどない。ひとりで遊ぶ。環境が変わってもへっちゃら。連れて行ける場所には、さらしおんぶでわたしの活動にも連れていく。生まれもった娘の気質もあるのだろうけれど、日常のゆるやかな生活リズムと、わたしの気持ちの安定は大きい気がしてる。
            
ほかにも、育休の効用はある。旅行好きの主人はすきあらば旅行の計画を立てる。月1〜2のペースで、家族でいろんな土地を旅してる。

4歳の息子は保育園を休みまくってるので、先生はちょっと呆れ気味に「次はどこいってきたの?」と息子に問いかける。リズムが崩れてしんどくないのかな、とも思うけれど、本人は保育園より旅行のほうがいいらしい。息子もこの数ヶ月で旅慣れてきて、前日の夜に自分で背負える分の必要なおもちゃを、さくっとリュックに詰めて準備するようになった。「旅行中はみんなで力を合わせないと!」と、楽しいことが待っていると知っているからか、日常よりすこしだけ頼もしくなる。

奄美、四国、三重、北海道、愛知。子連れで行けるスポットにいろいろ行ったので、気になる方はお尋ねください。

わたしは正直このペースの旅行にはちょっと疲れてる。革仕事が楽しいし、現実逃避欲求もないので正直もっと家でふつうに暮らしたい。一人旅でも行ったら?というと、先月ひとりで意気揚々と長崎に旅立った。育休を謳歌してて何より。定年までずっと働くであろう公務員。人生の中で立ち止まるゆとりの時間は男性にも必要だと思う。

とはいえ、3月までの期間限定だと思うと、まだまだ行っておきたい場所はあるなぁ。

産後の体もすぐに回復して、新しい土地で革仕事を存分にできたのも、パパが育休とってくれたから。ありがとう。

やりたいことぜんぶ


妊娠と流産を繰り返していた4年弱、自分の体が自分だけのものではない感覚がずっとあった。娘がうまれて、こころも体も風船のように軽くなった。どんよりした日々から一気に浮上。むりせんとこブレーキのネジはどこかに飛んでいき、下半期はアクセル全開で活動した。春まではやりたいことぜんぶすると決めた。

決めたら話がくる。やってみたかったギャラリーやコーヒー屋さんでのワークショップができた。イベントにも3つ出店。「異業種コラボやってみたい」と書いた昨年末。フォトグラファーとのコラボアイテムの製作やコラボワークショップも自然な形で話が湧いてきた。子どもが産まれて、家族や子どもの成長を感じられるものを作りたくなった。革作家と地域で認知され、やりとりの中でオーダーもいただけるように。出店やワークショップもこちらから営業かけなくても声かけてもらえる、地域の規模感。12月は県外ワークショップへ。

革仕事は、自分を満たしてくれる。自分を活かしてはたらけている感覚がある。楽しい。

ただ、これだけたくさん活動しても、今月はたくさん届けたぞ!と思っても、月収10万の壁はなかなか越えられない。単価を上げたら、地域の人たちは離れていってしまうだろう。(和歌山プライスというものがあるようだ。)生産量をどんどん増やしたら、質とわたしの体力が落ちるだろう。たくさんつくりたいわけじゃない。わたしの温度が伝わるものを、顔がわかる人へ大切に届けたい。

1年間、革仕事に振り切ってみて、やっぱりものづくり一本でやっていくのは現実的ではないなという大切な気づき。どうやら、いくつかの仕事を掛け持ちするのがわたしには向いている。

子育ての学び

子育てのありとあらゆるお話会にも参加した。

おむつはずし育児をしたら、娘はおまるで排泄できることが増えて、オムツの消費量が激減した。1日の中で一番セロトニンでるのが朝の娘との排泄タイム。

さらしでおんぶができるようになったら、夕方の家事がはかどる。かさばる抱っこ紐は不要になり、おでかけが身軽になった。布1枚でおんぶができるってすごい。自分の手が2本増えたように感じる。

月2回のシュタイナーの親子クラスは、あそぶ娘をじっくりと見つめ、娘の育ちの過程を知る貴重な時間になっている。

口育のお話を聞いて、声かけと野菜の切り方を変えたら、息子は前よりよく噛むようになった。でも歯並びは引き続き心配。

話を聞いて興味をもったら、本を読む。長男のときには知らなかった、へ〜ほ〜なるほど〜の連続。和歌山ママたち十人十色。いろんな専門家がいて飽きない。

親子の場づくりへの憧れ


やりたかったこと全部やったら、満たされた。これからも革仕事は続けるし、いろんな土地でワークショップもやってみたい。来年のイベントの予定もぽつぽつ決まっている。

今年やってきたことを継続しつつ、お声かけにのれる時間のゆとりももちつつ、満たされた自分で次にやりたいこと。革作家の次のステップは。



親子が集う場にたくさん足を運んだ。

その場に集う同じ時間を共有した人たちで横のつながりがうまれる。脳のシナプスが増えていくように人間関係が広がり、あそこでもここでも、どんどんつながる。

下半期は、小さなレザーワークショップをたくさん企画・開催した。いろんな場所で、ものづくりの時間をつくってみたら、活動の拠点となる場を持ちたい気持ちが湧いてきた。

4年前、はじめての子育てと仕事の両立。息ができないわたしの生活の癒しは、親子で通える居心地の良い場所だった。

息子が1〜2歳の頃に、月に一回通っていたシュタイナーの親子クラスは、木のおもちゃや家具に囲まれた場所。子どもが遊んでいるのを横目で見ながら、もくもくと手仕事をする時間は至福だった。

アトリエログハウスという光がさんさんと降り注ぐロフト付きのアート教室も大好きな場所だった。子どもと大人が集う場で「没頭」できる束の間の時間が癒しの時間だった。

わたしも「つくること」をする親子の場をもってみたい。同じ顔に会える、安心感のある仲間。子どもだけが楽しいクラフトというよりは、大人も楽しめる手仕事。実際に使えて生活が豊かになるもの。革仕事意外にも、味噌を作ったり、染物したり、自然素材でオーナメントつくったり。どれもプロではないのだけれど、やってみたいことはいろいろある。

20代から培ってきたこども英語と、季節の手仕事を掛け合わせて、親子の場づくりができないかなとイメージを膨らませています。

CDを流して、ノリと勢いで、なんとなく楽しい雰囲気の英語教室ではなくて。生の声で、親子が癒され、お互いに愛と敬意をもったつながりを育む温かい場。

そして手仕事は、親にとっても子どもにとっても、何歳からでも、自分の手で人生を創り出す基盤になると思うから。



つくること、触れること。手を大切にする場にしたいと「てとてえいご」という名前をつけてみました。

最近は月に一回、市立図書館で英語絵本の読み聞かせをはじめました。新しい活動がどんなふうになっていくのかわからないけれど、春ぐらいから身近にいる親子と小さく季節の手仕事と英語の集いをはじめてみたいな。

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家族が増えた。
娘は無条件にかわいい。
息子は、よく歌い、よく走り、
愉快に育ってる。
いろんな土地を旅行した。
楽しくつくり、はたらいた。
子どもとゆったり関わった。
子育ての学びと実践がたのしい。
新しい土地で友だちが増えた。
これからやりたいことがある。
みんな元気。

ありがとうございます。

振り返ってみると
わたしのタイミングと
地域の文化が
パチっとはまったような1年でした。

春からはもう少し地に足つけて
リズムよく
はたらき暮らしたい。

娘が保育園に入れたら
また学校で週3ぐらいはたらく、かな?

収入とキャリアも守りつつ
転勤にも備えつつ
やってみたいもやってみる。

小さなはたらくを組み合わせて
欲張っていこ。

つくると家族を中心に据えた暮らしを
来年も、和歌山で。
(いろんな土地にも飛んでいきたい)