なんの前触れもなく登場したmixi2という新しいSNS。
このサービスについて詳しくはぜひ、けんすうさんのnoteを読んでみてください。
どんなサービスなのか非常にわかりやすく考察されていますし、内容にも本当に同意です。とても素晴らしい内容だなあと思います。
で、今日のブログは僕がこの2日間、このSNSを実際に触ってみた感想を少しだけ。
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まず、一番最初に感じるのは、「懐かしさ」の狙いどころが本当に絶妙だなと思いました。
mixi2は、厳密にはmixiじゃない。正しくは、2010年代前半のTwitterです。
今、本当のmixi2を実現しているのは、コミュニティプラットフォーム・オシロさんのほうです。このあたりは、いい意味でしっかりと棲み分けられているなと感じます。
mixiも当時、Twitterが流行り始めたときに、突如つぶやきやタイムライン機能を追加して追随しようとしていました。しかし、デスクトップのブラウザやガラケーに特化したサービスだっため、スマホだとなかなかに使いづらかった。
その間にあれよあれよと、iPhoneに特化したTwitterとFacebookが黒船のように攻めてきて、世の中を席巻してしまったわけですよね。
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で、今のmixi2が取りに来ているのは、2010年代の当時のTwitterとFacebook、あのときのSNSの雰囲気だと思うんですよね。
でも、その時期のSNSは完全に一緒くたになっている。楽しかった記憶は、ざっくりとしか覚えられていないものです。
だからこそ、mixi2という名前で良いわけだし、この「懐かしさ」を取りに来るムーブみたいなものは、当時一斉を風靡して、そのあと完全に消えていった「mixiブランド」にしかできない。
つまり、当時のmixiに限らず、SNSの「懐かしさ」そのすべてを持っていった感じです。それゆえに、国産の「理想のSNS」という実感が伴っているんだろうなと。
そして実際、確かに何の広告も入っていなかったときのTwitterは、まさにこんな感じでした。
フォローしているひとたちの投稿だけが、ちゃんと時系列に並ぶ。そして、いいねやRTなど、アルゴリズムに支配されて反応数が多い順番に並ぶわけでもない。
まずはこのあたりの再現が本当に素晴らしいなあと感じるポイントです。
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とはいえ、新しいSNSなので、その使い方に悩むという方は多いと思います。
個人的には、mxiなんだから、ここは強い意志を持って有益なこととかは一切発信せずに、ただただ交流をメインに使っていきたいなあと思います。
mixi2を触っていると、「あの人ならどんなふうに使うんだろう?」とか「あの人とここで再会したいなあ」とか自然と思わせてくれるし、実際にその個人名も浮かんでくるから(木津歩とか伊佐知美とか)それだけでもう本当に良いSNSだなあと思います。
これは、「あの人と一緒に行きたいな」と思わせてくれるような良いお店と一緒ですよね。
そして、良いお店は自然と、良いお店をより良い場所にしていこう、場を盛り上げていこうとも感じさせてくれる。そこから広がっていく世界観もいいなあと。
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そして、そうやって人々が流動的に風通し良くつながるということは、まさにそこに「情報の交差点」が生まれてくる。
もちろん、ここでの「情報の交差点」は糸井重里さんの『インターネット的』の中に出てくる「情報の交差点」の概念です。
だから、Twitterみたいに有名人同士で絡んで、プロレスを見せつけて、アテンションエコノミー的に大衆を煽る感じではなく、僕はただただ、Wasei Salonなどのコミュニティメンバーを中心に、積極的にみなさんと自然に健やかな交流をしていきたいなあと思っています。
具体的には、思う存分、同意と称賛、言祝ぐことをしていきたい。それが再びできる空間が生まれてきたのは本当に素晴らしいなあと思います。
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そして、それを起点にしながら、開かれた空間を改めてつくり出していきたいなあと感じます。
開かれた場としての交差点というのは、まさに「つなげておいたから」という感覚を構築することもできるわけですから。
たとえば、誰々さんと誰々さんをつなげるために、突然メッセンジャーのグループやDMをつくられて、無理やり交流することができるかといわれると、そうでもない。
だから、なんとなく同じような「情報の交差点」に集う者同士、自然と顔見知りになりましたね、というような形が本来は理想的なんだけれど、それをインターネット上において、ここ最近作り出すのは、なかなかに困難でした。
でも今回、本当に好きな人たちと好きなように集まれるようになったわけだし、自分のペースで自然とその場から離れたり近づいたりすることもできるわけだから、こんなに風通しの良いことはないなと。
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適度に閉じられつつ、適度に開かれているこの感覚が、本当に素晴らしいなあと思っていて、これがまさに「縁側」的空間ですよね。
内であり外でもあるし、内でもなく外でもないという感覚そのもの。ものすごく日本らしい感じがします。
すべてを、プライベート(私的なクローズドの空間)とパブリック(公共的な空間)に切り分けるアメリカ的なサービスとの大きな違いでもある。
日本の半オープンな場所って基本的に「広場」じゃないんですよね。縁側であり横丁であり、ちょうどいい塩梅の隠れ家的な場所が必要になる。
オープンのSNSと、クローズドの有料コミュニティプラットフォームでは難しかった、そんな半クローズドであり半オープンな場が存在することによって、中心すぎず、外側すぎない、ドーナツの部分の人々の層にも、しっかりとメッセージを届けてつなげていくことができるのが、本当に最高だなと感じます。
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あとは、公式じゃない「ファンコミュニティ」をたくさんつくりたいし、入りたいなあと思います。
これは当時のmixiが、まさにそうだったように、です。
当時のmixiには、メーカーやブランドの「非公式のコミュニティ」がたくさんあった。逆に、公式のコミュニティなんてほとんどなかったと思います。
そして、思い返してみれば、僕がイケウチオーガニックさんを知るようになったきっかけも、当時存在していた「イケウチオーガニックが好き!」みたいなファンコミュニティがキッカケだった気がします。
あとは、オーディオブックもそう。当時まだまだニッチだったオーディオブックユーザーが集まるファンコミュニティを見て、僕はオーディオブックを使い始めました。
周囲にオーディオブックを使っている人なんか誰一人いなくても、自分ももっと使って良いんだ!と背中を押してもらったような気分でした。
その時の両社との出会いが、気づけば今もお仕事でつながっていたりするから本当に有り難い限りです。
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TwitterやFacebookが出てきて以降、SNSが完全にビジネス化されてしまい、公式の空間ばかりになってしまいました。
そのことによって、情報が正しく伝わるようになったというプラスの側面もあるとは思いつつ、醸成される空気も変わってしまったなあと思います。
「非公式」の空間の楽しさって間違いなくあったはず。そこでこそ、日本人の本領は発揮されるんだろうなとも感じます。
日本の場合、二次創作文化なども含めて、ある程度は公式から距離があったり、公式の管理下にないほうが、自由闊達に交流ができてコミュニティ活動自体も活発になるように思います。
いい意味で、公式や本家の目を気にしすぎずに交流することができる場の復活。
ブランドやメーカー、応援したい企業さんや、Podcast番組などのコミュニティなんかも積極的につくっていきたい。
参加しているコミュニティでそのひとの人柄が見えてきて、「あー、このひととは気が合いそう」とか「このひとは信頼できそう」と思える並びみたいなものが、自然発生的に生まれてくるはずです。そこにまた、新たな情報の交差点が生まれてくる。
このあたりの変化も、とっても楽しみです。
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あとはきっと、ここにポイントやトークンが紐づいてくる未来は、めちゃくちゃあり得るだろうなあと思います。
今回のmixi2の成功を観て、FiNANCiEがmixi2に近づいていくのか。それともmixi2がFiNANCiEに近づいていくのか。
どちらが先に相手の機能を実装をするのかはわからないけれど、そのような機能を実装したサービスが、次の国内のSNSの覇権を握る確率は、かなり高い気がしています。
これはもう確信に近い。やっとその答えが見えてきた感じがするなと。
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なにはともあれ、今のところmixi2には期待しかありません。
「気になるけれど、登録しても孤立してしまわないか不安…」と思う方もいるかもしれないですが、Wasei Salonメンバーや僕が直接面識がある方であれば、僕が全力で一番最初にフォローをしに行くので、安心してお越しくださいね。
僕のフォロー欄を見れば、Wasei Salonメンバーで既に始めている人たちもすぐに見つかるかと思います。
いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。
2024/12/17 18:56