まず、関西の方々のLTを聞いていて、一番強く印象に残ったのは、みなさん「笑い」を取るのがとっても上手なこと。
たった5分しかないプレゼン時間の中で、笑いどころが必ず入っていて、本当に素晴らしい文化だなあと感動しました。
一方で、若い方々を中心に「イキってる、意識高そう、真面目そう」のように「他者からどう見られたくないのか」を気にしているところも、非常に特徴的だったなあと思います。
また、昨日のイベントでは出てこなかったですが、関西の友人たちからよく聞くのは「さむい、いたい」と思われたくないというお話。
職業柄、様々な地域で現地のひとたちからお話を伺う機会が多いのですが、今回その違いがものすごく浮き彫りになっているように感じました。
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この点、LTを行ってくださっていたみなさんのメッセージは一貫して、
「そんなふうに思われることは恐れずに、もっと自分の思ったことを自然に発信していこう。」
というメッセージが多かったように思います。
そして、僕もこの意見にはとっても同意です。
これからの時代、自ら積極的に発信していきながら、自己がメディア化して、コミュニティ化していくことはより一層重要になってくると思います。
その時に、「まわりからどう見られたくないか?」をあまりにも意識しすぎると、メンタル的にもしんどいと思います。
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さて、ここで話は少し逸れますが、僕自身も自分の中に知らず知らずのうちに根付いていた文化を発見し、ハッとしたことがあります。
大学卒業後に、中国に渡って2年ほど働いていた時、現地でさまざまなカルチャーショックを受けたのです。
その中でも特に印象的だったことは、中国人が何かにつけてお金の話をすること。
頻繁に見かける光景は、店員さんが目の前にいるにも関わらず、「これは高すぎる!」と大声で相手に伝えること。
「人前で、お金の話をしてはいけないよ」と教えられて育ってきた自分としては、ものすごく衝撃を受けました。
でも、冷静になって考えてみると、それは自分が育った文化の中だけの常識だったんだなと気づきました。
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そしてこの時に一番ハッとしたことは、「自分はこのお金に対する価値観を、自己の思想として練り上げたことはなかった」という事実です。
それまでの自分は「お金とどう向き合っていきたいのか?」を、ちゃんと自分の頭で考えたことが一度もなかったんですよね。
「親からそう教えられたから。みんながそうしているから。」
ただそれだけの理由で、「お金の話を人前ですることは悪いこと」と決めつけてたのです。
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今は、日本式がいいとも思わないですし、中国式がいいとも思っていません。
大切なことは、生まれた環境が育んでくれた自己の価値観に感謝をしつつ、それを踏まえながら、自分の思想としてちゃんと練り上げること。
そのためには、自分自身と向き合うことが何よりも重要だと思います。そして異文化にもしっかりと触れてみる。
「本当の自分はどうしたいのだろうか?」
それを徹底的に考えることが重要なのだろうなあと思います。
最近、ハンナ・アーレント『全体主義の起源』の「100分de名著」も観ていたので、昨日のイベントを通してそんなことを考えました。
https://twitter.com/hirofumi21/status/1219808490161463296?s=21
いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても今日のお話が何かしらの参考になったら幸いです。