昨年からWasei Salonの中で"身体について学んでみよう"というグループを立ち上げさせてもらったり、"身体のユートピア"という対話イベントを開催したりしているんですが、とてもありがたい機会をいただけているなーと思っています。

自分は過去には理学療法士として病院で勤めたり、地域の中で運動教室を開催したり、大学院で研究をしたり、セラピストの専門性を活かしていろいろな活動をしてきたんですが、最近はコミュニティ内でいろんな取り組みをおこなうことに新たな可能性を感じているんですよね。

まだ新しい取り組みで考えを整理しきれていない部分もありますが、過去を振り返りつつ、感じている可能性を書き残してみようと思います。

身体のことは誰に相談する?

最初にちょっと考えてみて欲しいんですが、身体についての悩みがあった時には誰に相談しますか?

・友達
・家族
・ジムや整体にいる専門家
・病院の医師
など

悩みの種類にもよると思いますが、このような方々に相談することが多いのではないかと思います。

そこで起こりやすいこととしては、友達や家族だと気軽に相談はしやすいけどなかなか専門的なことは聞きづらい、医師などの専門家に相談する際は少しハードルを感じたり・時間が限られていてゆっくり深い話はしづらい、など相手によってメリット・デメリットがあるんじゃないかと思います。

自分の立場からするとやはり病院で勤めていた時は関われる時間に限界があるため深く入り込めず、友達や家族に関しては距離感が近すぎて言ったことが受け入れられづらい、など関わり方の難しさを感じる場面もけっこうありました。

コミュニティというちょうど良い関係性

そんな中でWasei Salonという場は、様々な年代の多様な価値観の人が所属しつつ、誹謗中傷もなく安心してフラットなコミュニケーションがとりやすいため、今までとは違った関係性を築け始めている感覚があります。

普段は特にセラピストという専門家的な発信ではなく何気ない日常などをシェアするなかでコミュニケーションをとり、時には専門的な話を織り交ぜて身体について詳しそうな人という認知はしてもらう。

そして"身体のユートピア"という対話イベントの中でも、専門家的な立ち位置ではあるものの自分が中心で話すというよりは参加いただいた方が話しやすい環境づくりやファシリテートをおこなって、必要な時だけ少し混ざるような感じ。

そこからどうしても個別に専門的な相談が必要な時にはじっくり話し、そしていったん問題の解決が見えてくるとまた元のフラットな関係性に戻っていく。

自分はなんとなく常に専門家としての立場でいるよりは、必要な時に必要な分だけ専門家的なふるまいをして、それ以外の時は何気ないコミュニケーションをとれるような関係性が好みなので、コミュニティの中で活動するのはちょうど良さを感じています。

また身体に関して話そうとすると、時にはセンシティブなテーマになることもありますし、人によって価値観が異なることもあるので難しさがあると思いますが、Wasei Salonという場は身近すぎず、離れすぎていない、距離感が絶妙な感じがするので、理想的な関わり方が本当にしやすい印象です。

しれっと紛れ込むセラピストが増えると良いだろう

Wasei Salonはオンラインコミュニティですが、それ以外の地域コミュニティなどにおいても、似たような関わり方をするセラピストが増えると良いんじゃないかなーと思っています。

↓はアーサー・クラインマンという精神科医の方が「臨床人類学 ; 文化のなかの病者と治療者」という本で示したヘルスケアシステムのモデル図になるんですが、不調があった時に普段は民間の中で相談が行われ、必要に応じて専門職に関わるような形を提唱しています。
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現在の社会の中だと、民間と専門職の重なりが薄く、けっこう距離感がある印象ですが、もう少しその距離感が近づいてしれっとセラピストのような人が紛れ込んでいると、どちらにとってもメリットがあるのではないかと思います。

そのような良い距離感を作るためには、コミュニティの中の関係性とセラピストのふるまい方、両方が大事になってくると思いますし、詳しいところはまだ言語化しきれませんが、活動を続けながら徐々に大事なポイントを見つけていけたらと考えています。