以前、Wasei Salon内のコミュニティラジオの中で、「なぜ鳥井さんが、あんなにもカブアンドを注目しているのか」みたいな話が挙がっていて、そのアンサーをタイムラインにポロッと書いてみたところ、その内容が意外と好評でした。

今日は、更にその内容を深めて、またこのブログにまとめてみたいと思います。

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まず、言葉選ばずに言えば、もう「会社」って不要なんですよね。

僕も含めて、今の仕事は100%、あなた自身である必要はない。

どのお店からどんな商品を買ってもみても、大体すべてクオリティは一緒です。

じゃあ、会社理念やパーパスで差別化できるかと言えば、決してそうではない。そんなものは、完全にAIが作り出せるようになってしまいました。

逆に言えば、AIが口が裂けても言えないようなことを、トランプ大統領やイーロン・マスクが断言してしまうから、「誰も言ってくれないことを、言ってくれている!」という意味で、ものすごく大きな支持を今集めてしまっているわけですよね。

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しかし、当然なのですが、そこまで極端な立場を取れる人は、ごく少数だと思います。

社会における一般的な倫理や道徳の範囲内で言えば、会社の存在意義も、あなたがその空間で働く意味もまったくない。

現代社会というのは、そのよう意味や意義がある風を装って、それがあることで社会が回っている風に見せかける社会を、みんなで一生懸命に演じているだけ。

これは江戸末期の武士や幕府なんかと、まったく一緒だと思います。

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で、その中で、僕が以前投稿したカブアンドに関するブログに対して、前澤さんご本人が直接リプライをくれて、そのリプライの内容が本質的だと僕が思った理由は、前澤さんが書かれていた以下の一文なんですよね。

”カブアンドの物語の順番は、「何を作るかより誰と作るか」から始まり、「誰と作るなら何を作ろうか」になっていく予定です。”


https://x.com/yousuck2020/status/1859503953635049888 

この順序の話って、今はほとんど理解されていないと思います。でも、確かにこれからはこの順序のほうが自然になるし、この順序にならざるを得ない。

変な喩え話にはなってしまうのだけれど、会社で働くこと自体も「お見合い結婚から、自由恋愛になる」みたいな話にも、とてもよく似ている。

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お見合い結婚は、家の存続が最優先の目的で、そこから相手を選ぶことが手段であり、正しい順序だった。

でも、家の継承という目的が崩壊した今、お見合いなんて、もう一部の家元や財閥ぐらいしかしていないわけですよね。

まったく似たような構造的変化がきっと、仕事や会社においても起きてくると思うのです。

そうなったときでも人々が集い、手を取り合って何かを始めようとするときには、まず先に「株」や「トークン」を持ち合って、お互いに「運命共同体」になってから、何をするかを考えよう!という話は、非常に納得感ある話です。

それゆえに、Twitterのリプライでこの一文がすぐに飛んでくるのは、マジですごいことだなあと思います。相当真剣に、これからの社会の変化について考えられたんだろうなあと。本当に脱帽です。

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今みんなが気づいていない、目を向けようともしていない課題感に対して、クリティカルな回答というか挑戦をしようとしているのが、カブアンドであるというのが、僕の認識です。

この点、カブアンドは「国民総株主」という目標を掲げているからなのか、未だ株式というものを触ったことがない素人や初心者に向けて、株主体験入学的なサービスであり、自転車の補助輪みたいなものという意見を、ちらほら目にします。

すでに自転車に載っている自分には関係ないという意味合いで。

でも、カブアンドは、株式のこれまでの仕組みのさらなる上を目指し、トークンの上位互換でさえあると僕は思っています。

もちろん、それゆえに既得権益や利権構造に飲み込まれて潰される可能性も大だろうなあとは思う。それぐらいこの仕組みがが一般的になってしまった場合においては、社会が大きく変化してしまうだろうから。

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あと、カブアンド自体が「トークン」を出していかないわけがないとも思うんですよね。

というか、既にあのデジタルの引換券自体が「トークン」みたいなもの。

つまり、集まっているユーザーに対して、持っている株式数に応じて、トークンも配ることができる。きっと、それを実施するタイミングにおいては、法律も整っているでしょうからね。

法律が曖昧なタイミングからトークンを使い始めるよりも、先にユーザーとダイレクトにつながることができることのほうが大事だと考えた理由はとても良く分かる。

そしてそのユーザーたちから、痛税感のないような形で毎月固定の金額が入るような「運命共同体」の経済圏さえ構築することができれば、今、トークン界隈がやっていることは、基本的には全部実現することができる。

本当に賢いやり方だなあと思います。

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たとえば、わかりやすいところだと「NOT A HOTEL」みたいなものだって、カブアンドの保有株数に応じて体験できるようになる。

もっとわかりやすいところだと、クレジットカード会員向けの付帯サービスのようになる。実際にクレジットカードを作る準備は進んでいるとTwitterにも書かれていました。

トークンエコノミーの実現において、その肝となるのは、トークンのホルダーがどれぐらい分散しているのかが重要であって、そのうえでどうやって売上も同時に立て続けられるか、という部分。

それが、この「国民総株主」という目標を掲げて、インフラの契約をすべて変えてもらうという形で実現させて、落とし込んだということだと思います。

そうやって面を取れれば、規模はあとからいくらでも大きくしていけますからね。初期の頃から支援してくれている古参ユーザーを、どんどん優遇できるようにもなっていく。

カブアンドは、最初から数百万人にリーチすることを目指していることを考えると、既存のNFTやトークンを扱うサービスとは段違いだなと思います。


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つまり、株主優待、配当、クレカの付帯サービス、NFT、FiNANCiEみたいなことを全部盛りにできる。

宇宙に行くぐらい、世の中のありとあらゆるお金でできる遊びを遊び尽くした前澤さんのことなので、遊びたい盛りの20代〜50代ぐらいまでには満足できる体験が、いくらでも新たなサービスとして降ってくる可能性がある。

「その副次的なサービスに興味関心がなくなったら、最後の最後にキャピタルゲインも得られますよ」ということなのだと思います。

60代ぐらいで遊ぶのも疲れたら、キャピタルゲインを得るぐらいになるんじゃないかなあと予測します。

つまり、いま一番大きな目玉として掲げられているキャピタルゲイン狙い自体は、おまけ中のおまけになるのだと思います。

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あと、最後にこれはさらに話を飛躍させて、今思っていることを正直に書いてみると、

先日、コミュニティプラットフォーム・オシロをつくっているオシロ代表の杉山さんのインタビュー記事読んでいるときにも考えていたことなのですが、

2010年代の課題が「お金とエールが続かないと、制作者は創作活動を続けることができない」だったとすると、2020年代の課題は、それがサブスクやクラファンで見事に克服された今「いかに恩返しをするか」であって「どうやって応援してくれたひとたちへと還元をしながら、共に成長をしていけるか」なのだと思う。

そして、このときにつくりあげようとするコミュニティの形がきっと、養老孟司さんの『人生の壁』でご紹介したような自らに「重み付け」をしてくれる存在になるのだろうなと。

つまり、自分と相手を「運命共同体」にしてくれる存在が、養老さんの語る「家」に近い存在で、その新しいカタチをつくるひとつのつながりが「トークン」なんだと思います。

良くも悪くも、それを持ち合うことで足元に繋がれた鎖みたいになっていく。

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それが、巡り巡って中年危機のひとつの解決策みたいなところにもなるはずなんですよね。

面倒くさいことに踏み出すことにつながる大きな流れ、従来にはない家族の形、中間共同体としての新たなコミュニティの可能性。そんな「互助会」みたいな話もきっと、このカブアンドのような仕組みやトークンの延長線上にある話だと思う。

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ソレを持ち合っている人たち同士が、結果的に運命共同体的になり、「家族」のようになっていく。

これからの未来において「一緒にトークンを持ち合いませんか」って結構大切な話になっていくと思います。

今の投機じみた現象からは、まったく考えられないような話ではあるとは思いつつも、でも昔からある「家と家との結婚」、結や頼母子講のような新たな形につながっていく可能性は十分ある。

僕はそんな未来が10年後ぐらいに訪れていてもまったくおかしくないと思っています。

その答え合わせはもう少し先になるので、まずは、カブアンドの成功を祈るばかり。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。