今朝、こんなツイートをしてみました。

なぜなら、Web2時代の優秀な起業家たちにとっては既に至極当たりまえのことだから。

これは、2000年代後半に、You Tubeが出てきたときにテレビタレントが一切反応しなかったことと全く同じ構図です。

当時、一般人からするとYou Tubeの登場は紛れもなく「映像メディアの民主化」でした。

でも、タレントやテレビ業界人にとっては「既にテレビで実現できていることなのに、なんでわざわざ降りていく必要があるの…?」と思っていたはずなのです。

しかも、その映像や企画のクオリティが著しく低くて話にならないよ、と。

「こんなクオリティの低いところに出演するのは恥ずかしい」とさえ思っていたはずなのです。

でも、この10年でYou Tubeという文化がハッキリと示したように、そのクオリティや「価値」を決めるのは、つくり手側の主観ではなく、100%受け手のほうなのです。

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いま、既存の起業家やインフルエンサーからすると「なんでわざわざ自分が既に得ている地位や権威を手放し、失敗するかもしれないリスクを犯してまで、まだ海の物とも山の物ともつかぬNFTやDAOに参入しなければいけないの?」と思っているはずで。

でも既に参加している一般人からすると、そこにはこれまでと全く違う景色が広がっている。

彼らにとっては、金銭的にもやりがい的にも、そこに圧倒的なメリットが存在しているから熱狂しているわけですよね。本当にYou Tubeの時とまったく同じ構造だなあと思います。

もちろん、Web2時代の起業家たちは、現在の仕事が忙しくて、web3の流れをキャッチアップしている暇がないというのも事実なのでしょう。

ただ、やっぱり少しぐらいは覗いてみているとは思うのです。

でも見れば見るほど、今まで自分たちが通ってきたスタートアップ文化そのものだと感じてしまう。だからこそ、その革新性に気づけない。

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それはそれで仕方のないことだと思うのです。だって本当に既視感があるうえに、そのクオリティがあまりにも低いのですから。

ただ、彼らのその様子を見て、考え方を改めたほうが良いなと思うのは、僕らのほうだと思います。

Web2時代の優秀な起業家たちの言うことを聞いていれば、間違いなかったという状態から、これからは彼らの話も話半分で聞いたほうが良いかもしれません。

その証拠に、いつもキレキレだった起業家が今回はわりとズレていること言っているな…?と思う機会も一気に増えてきました。

それは、2000年代にテレビで、さんまさんやたけしさん、SMAPなんかの言うことを聞いていれば良かったと考えられていた時代とまったく同じこと。今は彼らも、テレビという古い業界の一職業人に過ぎません。

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このように、「◯◯の民主化」が何をもたらすかと言えば、一般人に対しての「手触り感」の変化なのだと思います。

フランス革命や明治維新などの具体例を持ち出すまでもなく、大衆側がその手触り感に気づいたときの圧倒的な熱量と、その行動力は絶対に侮ってはいけないと思います。

そして、時の権力者たちは、いつもその大衆側の熱量の高さを「子どもの戯言」だと言って侮ってしまい、その本質を見誤ってしまう。

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NFTやDAOを「学校の文化祭のようなノリ」だとバカにしてはいけないと思います。

その手触り感からくる熱量の高さは、そこから生まれてくるアウトプットのクオリティとはまったくもって関係ない。

DAOは、日本人が一番恐れている「新卒ボーナス」や「社会的地位」を手放すことなく、匿名で誰もがスタートアップ文化とエンジェル投資文化に参加することができるようになったということなのです。

それこそ、ものすごく安定した職業の人(学校の先生や公務員など)も参加できてしまう。この革新性に早く気づかないと。

そして、この盛り上がりのもとになっているものが「コミュニティ」であり「人々のつながり」でもあるわけです。(2010年代の後半の仮想通貨の盛り上がりは、この下支えがブロックチェーンという「技術」だけだった)

これが本当にすごいことだと僕は思います。

それが吉と出るか、凶と出るかは、まだ誰にもわからない。

しかし、これまでの様々な「◯◯の民主化」への移行フェーズを見る限り、中長期的な視点でみれば、民主化されている方向に、人もお金も流れていくことは間違いない。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。