タイトルは、以下の番組内で『夜と霧』の文章を引用しながら、若松英輔さんが仰った言葉です。

https://twitter.com/hirofumi21/status/1341191012849340417?s=2 

この言葉を聞いた瞬間、自分の中でとても大きな衝撃が走りました。

さらに、若松さんはご自身の経験も踏まえて、以下のような言葉も同時に仰っていました。

「自分の中にあるものに、自分で応答していかなくちゃいけない。」

「答えを誰かから与えてもらうことができない、どこかでそう感じたとき、何かが動き始めた。」

「見てきたもの、感じてきたこと、自分の中で終わらせることを経験が許さない。広く語っていきたいという願望よりも、経験そのものが沈黙を許さない。」

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何かしらの形で日々表現をしている人間にとって、これらの言葉はとても励みになると同時に、背筋が伸びるようなお話でもあるのではないでしょうか。

人間は誰しも、生きていれば必ずさまざまな経験をしていきます。

「どうして自分だけがこんな目に遭わなければいけないのだろう…。」そんな風に自己の運命を呪いたくなるような出来事にも、何度も遭遇することになるでしょう。

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しかし、それと同時にある種の使命感を伴って、自分の内側から湧き上がってくる感覚も存在するはずなのです。

自己の経験を通して、経験そのものが自身の沈黙を許さないと焚き付けてくるものを、自然と身に宿してしまう。

それはもちろん、ネガティブなことだけじゃなく、ポジティブなことであっても全く同じことだと思います。

これを私が伝え残していかなければ、自己の経験の意志に反くことになる、いや、自分の生きる意味そのものに反くことになる、そのように感じるもの。

そんな内なる声に敏感になることは、今とても重要なことだと思うのです。

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なぜなら多くのひとが今、自分の外側にあるものに答えを求め、似たようなことを自分自身でも発信することで、実感を伴わない中でも世間の耳目だけを必死で集めようとしてしまう時代だから。

しかし、本当はもっともっと自分にとって重要な経験が既に自分の中に備わっているはずなんですよね。

そしてそんな経験をこれからも一生経験し続ける。

そうであれば、不幸なことであっても幸福なことであっても、その経験から目を背けずに、そこから学んで伝えられることを、素直に発信していきたい。

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2020年を終えて、いま新しい年を迎えようとしています。

これから向かう先どのような未来が待っているのか、全く予見不可能な今だからこそ、このタイミングでブログにもこの話を書き残しておきたいなと思いました。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても今日のお話が何かしらの考えるきっかけとなったら幸いです。