これまで、友人知人問わず、様々なひとから「働く」や「転職」についてのお悩みを伺ってきました。
彼らお話を聞いているうちに、いくつかの共通点があることに気がついたのです。
それが、
1.何が不安なのかがわからない。
2.自分の価値=年収だと信じ込んでいる。
3.豊かさが他人基準。
以上の3つです。
それぞれが具体的にどんな意味なのか。そして、その悩みから解放されるためにはどうすればいいのか。
今日はそんな内容について、少しだけ書いてみようと思います。
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1.何が不安なのかがわからない。
まず一番多い悩みが、意外にもこれだと思います。
「不安と恐怖が自分の中に存在していることは間違いない。ただ、その不安や恐怖の正体が漠然としていて、その正体がわからない」という方がとても多いです。
具体的には、ごはんが食べられなくなってしまうという飢餓感への恐怖なのか、今の場所に住めなくなるという居住への恐怖なのか。
はたまた、将来に対する貯蓄の不安なのか、友人や家族からバカにされるという自尊心から来る不安なのか。
この辺りが不明瞭な方が、本当にとても多いです。
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2.自分の価値が、年収で決まると思い込んでいる。
そして、明言はせずとも「自分の価値=年収」だと思っているひとも、ものすごく多い印象です。
口では「やりがいを大事にしたい」と語っていながらも、無意識下ではその呪縛から逃れることができなくて、最終的な判断はやっぱり年収で決めてしまっている。
「生活するためには仕方ないじゃないか…!」
そう思う方も多いかもしれませんが、そんなふうに語るひとほど、明らかに生活費以上の金額を年収に求めているフシがあります。
でも、豊かな生活をしたいのかと問うと、そうでもなさそうなご様子。実際に、それほど派手な生活はしていません。
ただ、同世代の中で平均年収よりもちょっとだけ上であって欲しいという見栄やプライドからくる自尊心だったり、自分には価値があるんだと思い込みたい欲求からくる最低希望年収だったりするのです。
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3.豊かさが他人基準。
最後に、上記2つの要因が相互に作用して、結局のところ「自分にとっての本当の豊かな状態が何なのか」が定かではない方もとても多い印象です。
漠然と、他人の豊かそうな姿を見て、自分でもそれを模倣してみたいと願ってしまう…。
他人がつくり出した豊かさに引きづられて、それに必要なお金や名誉を追いかけていると、本当にキリがありません。
特に今年の夏になって初めて「グランピング」などに行っているひとなんかは要注意です。
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さて、上記のような共通点を持つひとたちに対して、僕からの提案は以下になります。
まず、自分の中に存在する漠然とした不安や恐怖に対し、「それはなぜ?」と何度か深掘りを繰り返し、自分の中でその正体を明らかにしていくこと。
不安や恐れに対して背を向けて逃げ惑うと、どんどんソレが大きくなって襲ってきます。
でも本当は、その大きくなった不安や恐れというのは、振り返ってみるとただの影でしかなかったことに気づくはず。
本体は、実はとてもとても小さなことなのかもしれない。少なくとも、恐れることに足らないことであることは間違いないでしょう。
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そして、自分の価値は年収とは全く無関係であると、心の底から理解すること。
年収の多寡で他人と競わない、いちいち比較して落胆しないこと。
そのためには、現在一銭も稼いでいなくとも価値があると思えるひと、例えば地元にいるおばあちゃんなどに会いに行くのもいいかもしれません。(※今なら感染予防でテレビ電話とか)
そうすると自然とその呪縛から解放されて、年収で人間の価値を定めていた自分が途端にバカらしく思えてくるはずです。
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最後に、自分にとっての本当の豊かさの基準を具体的に言語化できるまでは、極力「広告」から遠ざかること。
「豊かさ」の基準を他人に預けている限りは、いつまでたっても他人の土俵で相撲をとっているようなもの。
この点、「広告」が多くのひとにとって、「働く」や「転職」の悩みを生み出してしまうすべての元凶と言っても過言ではないかもしれません。
もちろん、この広告の中には、友人や信頼している著名人のSNS等も含まれます。
むしろSNSは、発信者側に営利目的が一切含まれていない分、広告よりもさらにタチの悪いものかもしれません。
まずはこれまでの人生をゆっくりと振り返りながら、自分にとっての豊かさの基準を箇条書きにしてみて、じっくりとまとめてみると良いと思います。
実際ぼくも、自分にとっての豊かさについて長い時間かけてリスト化したものを作りました。
そして毎週末、ゆっくりとそのリストを見返す時間をつくり、作って終わりではなく日々アップデートする様に心掛けています。
これらを習慣的に行うようになってからは、本当に心穏やかな毎日を過ごせるようになりました。
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以上、いま「働く」や「転職」に対して悩む方々の共通点と、それに関する僕からの提案でした。
いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。