みなさんのインタビュー企画を拝見しているうちに、「じぶんだったら」と勝手に思考を進めてみると、タイトルのこの言葉に行き着きました。
「どごまでいけるのか、懸けていたい」
じぶんにとって働くとは、おそらく「目の前の出来事に本気で向き合うこと」くらいざっくりしているのですが、この「本気さ」が最近、特に変わってきました。
「働く」について悩まれている方いらっしゃいましたら、もし何かの参考になりましたら幸いです。
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なんだかんだWEB業界に長らく身を置いているのですが、「WEBサイトをつくる」という行為(HOW)は、「何を取り扱うか?」によって一変します。
新卒の、年中かけて同じWEBサイトの更新を延々と繰り返していた頃、「このサイトをリニューアルしたことで何が変わるだろう?」とずっと思っていました。
「変えても何も変わらないんだよ」と悟りながらも「がんばろうよ!」という上司があまり好きになれず、「本気で変えたいと思ってます?」なんて言ってみたら、「熱くなりすぎだよ」と一蹴され、転職を決意しました。
代理店から仕事を受ける制作会社に転職をしても、予算を抑えた代理店の人の「もっと変えたい/良くしたい」はあくまで建前で、残酷に言えば「WEBサイトをつくること」でその商品が売れなくてもしょうがないよね?という本音が隠れていました。
その名の通り、公開して結果が出なかろうが、その状況を切り抜けるためのプレゼンを磨き、次の仕事に邁進することで過去のものにしようとしているようにも見えました。
あぁ、サラリーマンってこういうことか、とも思いました。
ただ単に、目の前の出来事に本気で向き合いたかっただけなのに、と今でも思います。単純に悔しかったんだと思います。
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そこからも転職をし、会社の特性上いまはお客さんと直接対峙する関係性は築けています。けれども予算を消化するための、社内の事情に折り合いをつけるための「WEBサイトづくり」の仕事はまだまだあります。そんな仕事を横目に見ながら、じぶんは全然毛色の違う仕事をしています。
とあるご縁で、福岡の宿のサイトと熊本の農家のサイトのブランディングをすることになったのですが、もう本気なんです。
単に「じぶんたちの利益を」という想いではなくて、その地域に住む人のために、街づくりのためにという想いの一心さときたら。ましてや何十年/百年単位でその土地に根ざして続くお店だってあります。ぽんっと東京から出向いたじぶんのような者が立っているのもおこがましいくらいに、背負っているものが違う。
彼らは「WEBでどこまできるか?」なんておそらくわかっていなくて、「情報発信をして、より多くの人に届けられるんでしょ?」くらいにしか思っていません。その名の通り、WEB一つつくっただけでは何も変わらないのかもしれません。まちづくりやお客さんを増やす手助けをどこまでできるかだって、わかりません。
そんな予想できない未来だからこそ、懸けてみたいんです。
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過去にいままでじぶんが取り組んだプロジェクトよりも、規模も大きければ、役割も、アウトプットも多いです。「なぜいつも過去最高を軽く越えてくるんだろう?」と思うと同時に「なぜじぶんに?」と、いつも思います。
でも、稼働時間に対して予算が見合ってなかろうと、今まで本気で向き合ってこれなかった分、向き合ってみたいんです。
そのせいか、「仕事」以外の時間で帳尻を合わせる必要があり、なかなかWasei Salonのイベントに参加できないのは非常に残念なのですが…。
もはやどこまでが働く?なのかもわかりませんし、出張での顔合わせだって、人と会って、思いっきり笑って、頼られて、喜んでほしくて。言葉で書くとそれくらいのものでしかないんです。一人家に帰って背負ったものの大きさにびくびくしながらも、アイデアが出るのはたいてい散歩している、ごく普通の日常です。
意識してもしなくても、勝手に向き合っているんだと思います。
おわり。
余白をデザインできないほどにとりとめもなく書いてしまいましたが、猛烈に「じぶんにとっての働くとは?」に向き合いたくなってしまいました。ここまでお読みいただいた方の、何かしらの発見につながりましたら幸いです。