コロナも落ち着いてきて、いよいよ人々の交流が一気に盛んになってきました。

そうすると増えてくるのは、久々のオフラインの仕事や交流会ですよね。

そこで多くのひとが感じているであろう「違和感」について、今日は少しだけ書いてみたいと思います。

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この3年間のあいだで、自分の価値観が大きく変わってしまったというひとはかなり多いかと思います。ご多分に漏れず、もちろん僕もそのひとり。

そうなると、2019年までは当たり前だったリアル空間での交流に対しても、これまでには感じてこなかったはずの「違和感」や「嫌悪感」のようなものを強く感じているはずなのです。

僕は正直、めちゃくちゃ感じる瞬間が多くて、自分でもすごく驚いています。

2019年までの自分だったら当然のように対応できていたこと、いや、それどころか自分自身もちょっと楽しんでいたようなことにも関わらず、2022年の今の自分にとっては違和感が溢れ出してきてとまらず「今すぐにでもこの場から立ち去りたい」と感じてしまうような瞬間が、もうすでに何度かありました。

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で、このような状況に置かれたとき、多くのひとは「常に自己は一貫している」と信じ込んでいるから、大抵の場合は今の感覚のほうを「錯覚」だと感じてしまうわけですよね。

「久しぶりすぎて、心と身体が驚いているだけだよね」と、今の違和感や直感のほうを蔑ろにしてしまいます。特に、忍耐力が強いひとや責任感が強いひとは、平気な顔をしてその違和感を我慢してしまうことでしょう。

2019年までの自分は、このような現象を楽しそうに味わっていたわけですし、自分のパソコンのハードディスクの中には、その瞬間を楽しむ自分の姿の写真や映像だって、しっかりと証拠として保存されている。

だからこそ「2022年の自分にだって、この状況は楽しめて当然のはずだ」と信じて疑わないわけです。

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でも果たして本当にそうなのでしょうか?

これが、今日のブログで主張してみたい問いです。

実は、「自己の一貫性」のほうが完全なる幻想であり、2019年までの自分と、2022年の今の自分は、まったく別者だと捉えることもできるのではないでしょうか。

ちょっと比喩として変な話かもしれませんが、たとえば、今からiPhone5に戻れるかと言われたら、誰ひとりとして決して戻れないはずです。

とはいえ、当時は大喜びでソレを使っていたはずなんですよね。2022年の今は、iPhoneX以降の端末に慣れ過ぎてしまったがゆえに、きっと多くの人にとって不快の塊でしかないだけで。

それを「あの当時の自分は大喜びで使っていたのだから、今も使えるはずだ」と思ったら、そんなわけがないだろうと誰もが思うはずです。

若いころに頻繁に通っていた焼肉の食べ放題や、徹夜して仲間と朝まで飲み明かすなど、似たような事例はたくさんある。

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この3年間というのは、そんな変化が一気に加速した期間だったのだと思います。

まるで「精神と時の部屋」に入ったように、2019年〜2022年の3年間というのは、10年ぐらい経過してしまったのだと捉えて、何事にも向き合ったほうが良いのかもしれない。

実際問題、30歳も過ぎてくると3年間なんてあっという間ですが、子供のころだったら中学校を入学して卒業するまでと同じ年月が経っているわけですからね。

もしくは、海外生活をしたことがあるひとは、海外から日本に数年ぶりに戻ってきたときのことを思い出してみてください。海外生活をする前には国内で楽しんでいたことも、海外生活の後には「もう絶対にこの世界には戻れないな」と感じることって、多かれ少なかれ必ずあったかと思います。

そのように考えてくれば、この3年間で趣味から人間関係までガラッと変わってしまっていたってある意味で当然なのです。

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じゃあ、2019年以前の自分を完全否定したほうがいいかと言えば、決してそうではないと思います。

2019年までの自分が、そのような価値観を形成してくれていたからこそ、今の自分があるわけですから。当時の自分に素直に感謝しながら、手放していくことが重要なのだと思います。

もし、あのときの自分が存在しなければ、今の自分はここには存在しなかった。そうやってひとつひとつ感謝しながら、古い価値観を手放していきつつ、新しい価値観や感性のほうをしっかりと受け入れていったほうがいい。

そうすることで結果的に、素直に今の自分が感じている「楽しい」や「おもしろい」、「気になる」に忠実になっていくことができるのだと思います。

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逆に、2022年のいま楽しいと感じることは、2019年までの自分だったら虫酸が走るようなことかもしれません。当時はそんな状況に置かれたときこそ、一刻も早くその場から立ち去りたかったことかもしれない。

でも、実際はそっちのほうが楽しいと感じ始めている場合には、そんな自分の感覚に素直になって、決して目を背けないことです。

周囲の人間から、「◯◯さんらしくないですね」と言われたところで、そんなセリフは完全に無視してしまって構わないと僕は思います。2022年の今の自分に嘘をつくことのほうがよっぽど、自分らしくないことのはずですから。

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何かを諦めれば、必ず新しい何かがそこに流れ込んでくる。その新たな余白のほうに積極的に目を向けて、本当に楽しいと思えることに全力で夢中になっていくこと。

自分のなかにある「常識」や「慣習」に流されて、過去の自分の感覚にとらわれることなく、しっかりと新しい自分の感覚に耳を傾けていきたい。

今日のお話がいつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても何かしらの参考となったら幸いです。

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