歴史を学ぶ意味を、最近よく考えます。

若いころの僕は、歴史を学んだところで時代が異なり、その頃よりも科学も一段と進歩しているのだから、今更100年以上前の出来事を学んでも仕方ないじゃないか!と思っていました。

それよりも、いま目の前の出来事に目を向けたほうがよっぽどいい!と思っていたのです。

でも、それは勘違いだったんですよね。

なぜなら、今日のタイトルにもあるように「群衆心理はいつの時代もかわらない」からです。

今日はそんなお話を少しだけ。

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例えば、今話題の名著であるカミュの『ペスト』。

これなんて、とてもわかりやすい例だと思います。

「100分de名著」にもとりあげられていて、僕も以前観たことがあります。

この本の中では、伝染病が流行すると、群衆がどのような恐怖や不安を抱くのか、それらが克明に描かれています。

そして、ある程度時間が経ってくると、今度は逆に享楽的になってくるという話も非常に面白い。

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また一方で、志高い人々がどのような行動に出るのかも同時に描かれています。

群衆心理から生まれる社会のうねりの中で、何に対して問題意識を持つようになり、何に対してやりがいを感じるようになるのか。

既に本書の中で描かれているような出来事と相似形にあるような出来事が、最近のニュースの中でも見かける機会が増えてきました。

つまり、群衆心理だけでなく、志高い人々の気持ちの変化も、いつの時代も変わらないということなのでしょう。

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未来は予測できないですし、歴史は決して繰り返さない。

でもある程度、進んでいく方向性は予想できるし、その歴史は往々にして韻を踏む。

それを理解するために歴史を学び、いま自分は何ができるのかを考える。

そうやって、いまの時代を生きる自分の立ち位置を歴史を通して俯瞰して捉えることが、これから非常に重要になってくるのだと思います。


参照:今できることを、みんなで考えてみたい。 | Wasei Salon https://wasei.salon/blogs/e6389f4c8310

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そんなことを考える今日このごろ。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても今日のお話が何かしらの参考になったら幸いです。

カミュの『ペスト』の回はこちら:100分de名著 アルベール・カミュ“ペスト” 第1回「不条理の哲学」 -NHKオンデマンド https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018087484SA000/?capid=sns002