先日のVoicy内で、イケハヤさんが「コミュニティ内において、メンバー同士スタエフを配信しあって、お互いの声を聞き合おう」というのを提案されていて、これは本当にとても大事な取り組みだなあと感じました。

今後、コミュニティ文脈においては、欠かすことができない施策となっていきそうだなと思ったので、今日はこの話題について、Wasei Salonの中でも自分なりに考えてみたいと思います。

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昨日も書いたように「音声配信は非常にむずかしい」です。

でも、それは一見さんに聴いてもらえるような有益なコンテンツをつくるという視点に立ち、番組として成立させることを考えた場合において、むずかしいということであって「お互いの声を聞き合う」という意味では、また全く別の視点が生まれてくるはずです。

僕らが日常的に行なっていることは雑談であり対話なのだから、声で話すとは人間同士のコミュニケーションの一丁目一番地とも言える。

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ゆえに音声配信を始める際に、最初からコミュニティメンバーに向けて話していくというのは、ものすごく理に適っているなあと思います。

逆に言えば、ここの取り組みやそのチャンスというのが、これまでは存在しなかった。

コミュニティを通り越して、最初から不特定多数の人々に向けて辻説法をしなきゃいけないということが、音声コンテンツを始めるうえでの最大のハードルだったわけです。

でも、本来の順序でいけば、たとえば学校であれば、まず隣の席の友達と話し、そこからグループや班に分かれて複数人の前で話し、さらにクラスの前に立って話し、そのあとやっと全校生徒の前に立つのが一般的。

でも一足飛びに、全校生徒の前で最初から話してくださいとなったら誰もが話せないのは当然のことだと思います。

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また、同じコミュニティメンバー同士でお互いを理解し合うために、という目的も本当に非常に大切な視点だなと感じます。

言い換えると、コミュニティ内で完結すれば良いと最初から割り切って行うことは、とても合理的だなあと思うのです。

もしかしたら結果的に、それがコミュニティの外にも漏れ出していくかもしれないし、想定通り漏れ出していかないかもしれない。

でも、最初からコミュニティメンバーにさえ届けばいいと願い、そしてそれが実現することに意味があってそこから発展していくことに期待しているだけだと割り切っていれば、何も気負いすることもなくなるはずです。

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そしてコミュニティメンバー向けであれば、最初からかなり高い確率で耳を傾けてもらえるわけですよね。

「お互いの話を聞き合おう」というスタンスを大切にしているコミュニティであれば、なおのことそうなると思います。

実際、すでにWasei Salonにおいては「サロン内限定公開ブログ」がそのような役割を果たしています。

その音声版と捉えたら、音声配信をコミュニティメンバーに向けて配信してみようというのは、本当にとっても有益なコミュニケーションの方法だと思います。

余談ですが、将来的には僕らが使っているこのコミュニティプラットフォーム・オシロの独自の機能で、音声配信機能が出てきてもおかしくないだろうし、そうなっていくと、またとてもおもしろくなるだろうなあとも感じています。

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で、たとえば有名なラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」なんかも、最初は知り合いや同じ職業人同士での雑談から始まっていたことを思い出します。

具体的には、カフェで隣で話している内容が、自然と漏れ聞こえてくるようなコンセプトだったはず。

もちろんこれは稀代のプロデューサー・鈴木敏夫さんだったから為せる技だとは思いつつ、それぐらいのテンションがきっとちょうどいいのだと思うんですよね。

逆にいうと、今のSNSって、他人の居酒屋の席に突然土足で踏み込んでいって、議論をふっかけるような仕組みになってしまっている。

でも、それによってハレーションが起きてしまうのも当然のことで。

僕も学生時代に、両グループともに完全に酔っていて、見ず知らずの学生グループと大喧嘩したことがありますが、今思えばあれは完全にSNSと酷似していたなあと思います。

きっとそうじゃなくて、もっとファミレスのボックス席の会話を増やしていくようなイメージがいい。

もちろん、そのコミュニケーションが非同期型であっても構わない。

そうすれば、その隣のボックス席の人たち、つまり他のコミュニティのひとたちも漏れ聞くかもしれないわけですし、そこからもしかしたらお互いにちょっと声を掛け合ったりするかもしれないなのだから。

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テキストと違って音声の場合は、良くも悪くも広く伝播していく可能性も極端に低く、仮に聞かれたとしても、それは音声という非常に高度なコンテキストが付随している状態なので、下手に炎上することもありません。

テキスト中心のSNSは、人間の「怒りたい」という感情をうまく逆撫でして、それで広告費を稼いでいるビジネスモデル。それに対して「コミュニティメンバーに向けて淡々と音声配信をする」というのは静かな、でも着実な思想運動になり得ると思います。

それは、かなり力強いコミュニティ活動につながっていくと思うんですよね。

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実際、すでにWasei Salonでは似たような形でうまくいっている具体例もたくさん存在しています。

たとえば、対話会イベントやそのイベントへの視聴参加はリアルタイムの生放送を共有しているような感覚です。

また、そのアーカイブの動画を、後日ラジオコンテンツのように楽しんでいるメンバーも非常に多いです。

そして、その名の通りコミュニティ内の限定配信である「コミュニティラジオ」は、まさにメンバーだけが聴ける、メンバーによるメンバーのためのラジオ企画。

毎回、メンバーの中からパーソナリティが交互に入れ替わって配信をしていることも、お互いの「人となりを知る」という意味でも、ものすごく功を奏しているなあと思います。

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つまり、間接的にほかのメンバーさんの言葉を、すでに僕らは日常的に聴いている。

だからこそ、お互いに信頼感を醸成できている部分は間違いなくあると思います。

それを個々人がまたスタエフなどを使ってコミュニティメンバー向けにシェアするような形で始めていくのは、とてもいい施策だなあと。

そして、そうやって小さく始めたお互いの音声メディアが、今度は互いの小さな「ホーム」にもなってくるはずで。

他者と一緒に対話をするためのちょっとしたカフェの空間みたいになる。「一緒に話しませんか?」の口実にもなるんですよね。

これも、ものすごく大事なポイントだと思っています。

外部に向けて、誰が聴いているかももわからない状態で、広く情報発信をするという流れよりも、もっともっと小さく自分の家に招くような感じ。

そうすると友達に、また別の友達を紹介するような、2次的なつながりも生まれてくるはずです。

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そのように考えてくると、やっぱりそれを本当に上手に行われているなあと思うのは、何度も過去にご紹介してきた、パーソナル編集者・みずのけいすけさんなんですよね。

みずのさんのような取り組みを、コミュニティ内でメンバー同士が相互に行うこと。

具体的には、日々のサロンの活動における感想を言い合うだけでもいいと思います。

イベントの延長線上で、あのテーマについてさらに深掘りしながら話してみませんか?もいいと思いますし、全然関係ない文脈で話すのもアリだと思います。

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もちろん、日常的にはひとりずつが独立で配信されていていることで、お互いが日々何を考えているのかを聞き合っていることも、すごく大切な感じがします。

そのときの音声配信の再生回数はきっと数十回程度で十分。最初は、それ以上は求めなくてもいい気がしています。

でもそうすることで、お互いの交流が徐々に深まり、お互いの存在も赤の他人から顔のある他者、そして唯一無二の関係性に移り変わっていくはず。

あなたが日常的に聴いている配信者が既にそうであるように、です。

そして、そのつながりが結果的には本業や複業の新たな仕事なんかにもつながっていく、かもしれない。

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今回、メンバーのもりもりさんにアイディアをいただいて、さっそく「みんなのスタエフを考える会」という対話型イベントも開催することが決まったので、興味がある方はタイムラインの僕のつぶやきにぜひコメント書き込んでもらえると嬉しいです。

https://wasei.salon/timeline?message_id=7824653 

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。