今日から、FiNANCiEのロックアップ解除がはじまりました。

まずはNFT関連銘柄の中で一番最初にマーケットをオープンさせたCNGからスタートし、事前の予想通り、ロックアップ解除の15時になったタイミングで一気に売られて、一時ストップ安近くまで値下がりし、75円近辺をつけていました。

この暴落の原因は、ペパハンが原因であるということにはなっていて、実際にその通りだとは思いつつ、そのペパハンの人々のムーブがあまりにもはっきりと分かりきっているからこそ、その事前予想の煽りを受けて「善意の長期投資家」たちも、ここに参加してしまっているんだろうなあと思います。

具体的には、ロックアップ解除前に、一度CNGを売り抜けて、LLACとTMAzなど優良プロジェクトに一時避難先として資金移動をさせて、また落ち着いたら戻ってこようとするムーブみたいなものが、いま間違いなく存在するんだろうと思います。

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FiNANCiEの場合、メルカリみたいに売上金をすぐに銀行口座に振り込める仕組みじゃないですからね。

もう一度投資をしようと思っていればその売上金を使って、別のところに張っておこうと考える方はかなり多そう。

でも、多くのひとが、そのようなムーブを取ると、結局のところ市場にある全体の投資資金からFiNANCiEの手数料だけが、ひたすら抜かれ続けるという状況にもなってくる。

今日は、何か明確な答えがあるわけではないですが、このあたりの課題感や、今自分がこの状況に思うことを素直に書いてみたいなあと。

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この点、なんでも対応が早いで有名なFiNANCiE運営としても、このロックアップ解除に関しては、うんともすんとも反応をしていないのはやはり、FiNANCiEにとってはこれがあまりにもドル箱の機能だからである、その何よりの証でもあるのだと思います。

この機能をやめるなんて選択肢は、今のところは全くないんだろうなあと。

ロックアップ解除で売るひとがいるとわかっているからこそ、長期で応援したいと思っているひとであっても暴落する前の現在価格で一度売却をしたくなる欲望に襲われる。そしてまた底値で再び買い戻してくれる。

そのときの往復の手数料が一番の稼ぎどころと言っても、きっと過言ではないのだと思うんですよね。

そうやって、万人にわかりやすいマーケットの予測可能性を生み出すことで、そこでの賢い風のムーブを暗に促すことで、売買件数を増やし、その手数料を回収することが一番経済的には望ましい。

これだけわかりやすく暴落していれば、手数料が往復で20%持っていかれようが、スイングトレードのようなことをすれば差益を狙えてしまって、持っているトークン数を少しでも増やせてしまうと考えたら、実行にでるユーザーが増えるのも当たり前のことだと思います。

そして、実際にFiNANCiEにずっと張り付いてうまいことをやればきっとプラスにもできる。

だけれども、それって本当に必要なトレードなのかは強く疑問が残ります。

少なくとも、中長期視点の善意の投資家まで巻き込むことなのか、と。

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もちろん、これは決してFiNANCiEが悪いとか、批判したいとかそういうわけではないです。そこはくれぐれも誤解しないでいただきたいところです。

このような売買において、FiNANCiE側から何か強制力が働いているわけではないし、あくまでユーザー側が勝手にそれぞれの判断によって売買判断がなされているわけだから、FiNANCiE側も何も批判される筋合いはないと思います。

でも、このような機能に束縛されることも、また中央集権的な意味合いで言えば事実ではあるなあと思うのです。

そこに、どれだけ良いコミュニティをつくりだしたとしても、プラットフォーム側の采配によって、より大きなものの手のひらの上で転がされているような感覚をつい感じ取ってしまうといえばわかりやすいでしょうか。

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そして、こういう構造って、今回の件に限らず世の中には本当にたくさんあるよなあと。

極端な話、国家なんてその最たる例です。

だから、今日はそんな漠然とした儚さや切なさみたいなものに対するやるせなさ、みたいな話を語っているだけだったりもします。

繰り返しますが、プラットフォーム側においては、何一つ悪意があるわけでもなく、悪いのは一部の頭が悪い人たちであって、今回でいうとペパハンのあまりにも単純すぎるその行動原理です。

でも、その頭の悪い挙動によって迷惑を被る人たちが一定数存在していて、プラットフォーム側としては、それを逆手に取って手数料を稼げる構造をそこに上手に作り出している。

これが偶然だろうが必然だろうが、経営判断としてはそのような売上を立てている機能は変更せず放置し続けることは本当に素晴らしい経営判断だと思います。

僕だって、もし経営側で利益を出さなければいけない立場だったら、きっとそうしてしまうはず。

少なくとも直接的に落ち度があって、非難されるわけでもないわけだから、あくまで推奨も改善もせずに、見て見ぬふりをし続けるのが一番賢いやり方だと思います。

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Web2のように取引所のようなプラットフォームが寡占状態であれば、このような状態にもなるということですよね。

ブログサービスのnoteなんかも、当初似たような批判されていました。

表向きは広告も貼らず、健全そうなサービスとして運営しつつも、それによってきた情報商材屋さんによる高額noteの売買手数料がその稼ぎ頭のひとつだったりしたわけです。

こちらも、頭の悪い人たちから搾取している構造は一切変わらない。

そして、決してそれをプラットフォーム側はそれを斡旋をしているわけではなく、メルカリなんかもそうですが、あくまでプラットフォームは場だけを提供していて、そこでユーザー間の商取引が行われているだけです。

売っているのも買っているのも完全に個人の自由ですからね。

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このように、世の中というのはそうやって一番思考の浅い人たちから無慈悲に搾取する構造となっている。

でも本当に、そうじゃないといけないんだっけ?とも、同時に思わされるわけです。

特に、web3のコミュニティ文脈に継続的に触れてしまうと、従来的にはまったく違和感なかったそのようなビジネスの仕組みにおいても、なんだか無慈悲だなと思える瞬間が増えてくるんだから本当に不思議です。

そして、このあたりはどうやったら変わるんだろうなあと、最近よく考えています。

「それは必要悪なんだ」というようにわかったフリをして適当に割り切りたくもない自分がいるんですよね。

せっかく、コミュニティの結束力が少しずつ生まれ始めていて、そうじゃない新たな経済圏が構築できそうな場面において、純粋になんだか非常にもったいないなと思うのです。

三歩進んで二歩下がるみたいな、じれったさがそこにある。

そして外部から見たときにも、善意のユーザーも悪意のユーザーも、結局は全員ただただ胴元に搾取されている奴らという見え方になってしまうわけですから。それはあまりに残念すぎます。

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まずは、ひとりひとりがこのような構造を理解して、気をつけることが大事になってくるんだろうなと。

この仕組みや取引において、一体誰が一番得をしているのかを、常に考え続けること。

ウォーレン・バフェットが語ったとされる「ポーカーを始めて30分が過ぎても誰がカモか分からなければ、あなたがカモだ」という有名な話の「カモ」が一体誰かを明確に見つけ出すのと同様に、そのポーカーというギャンブルを主催している胴元が一体誰なのかも同時に見定めること。

そして、その胴元はなぜこの状況を放置しているのか、暗黙のうちに見過ごしているという部分も同時に理解しておかないと、結局「中長期視点」や「買い支える」や「支援・応援」というポジティブで善意発の行動であっても、ドンドンと意図しない方向へと吸い取られていく構造になってしまう。

実際、今回のように中長期視点を持ち合わせている善意の投資家に対しても、はっきりと影響を与えてしまっているわけですからね。

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今後も、ロックアップの解除が来るたびに、その暴落が落ち着くまでは資金を一旦引き上げてロックアップが一番遠いプロジェクトに避けておくということが、正攻法になり続けるはずです。

たとえそれが、どれだけそれが応援したいプロジェクトであったとしても、です。

でも、やっぱりなんだかそれはおかしいなと思うので、僕はやりません。全く経済的には得策ではないと思いつつも、黙ってCTHをし続けます。

今日の話は、Web3における非中央集権やその概念を考えるうえで非常に優れた事例だなあとも思ったので、何か明確に答えがある話ではないですが、ブログにも書いておきました。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。