これまで僕は、ブログやイベントなどを通じて、様々な場面で習慣の話をしてきました。

そうやって多くの方と習慣について語り合っていると気づかされるのは、大半のひとが習慣は「意志の強さ」や「モチベーション」で管理できると思っているということです。

しかし、習慣は「仕組み化」がすべて。

もちろん今もその考え方に大きな変化はありません。

ただ最近、無拠点生活を1年半程度実践してみて、新たに思うことがあります。

それは、習慣は「空間」に強く紐づいているということです。

仕組み化した習慣が次第にだれてくる原因と、その解決策について、今日のブログに少しだけ書いてみたいと思います。

ーーー

「なぜ、一度仕組み化した習慣が次第にうまくいかなくなるのか?」

これは多くのひとの頭を悩ませていることだと思います。

この点、ある程度の緊張感(新鮮さ)があるうちは問題ないのですが、同じ空間の中で生活していると、どうしても人間は慣れてしまう。

慣れはそのまま「だれ」につながります。

一度だれてしまうと、今度はその「だれ」を経験した空間が逆にトリガーとなって、習慣が破綻してしまうというパターンが非常に多いです。

ーーー

わかりやすい例は、新年の一月に目標を立てたとき、はじめのうちは緊張感があって問題ないのですが、

そのうちどうしても気持ちが乗らない日が続いて、何気なくテレビをつけてダラダラと観続けてしまう。

そうすると、もうその同じ空間の中で、以前の習慣を取り戻すのは非常に困難です。

なぜなら、そのテレビの存在が今度はトリガーとなって、楽な習慣のほうに流れてしまうから。

そうなると、また新年がやってくるなど何かしらの「強制的な区切り」が訪れない限りは、その強力な空間のトリガーに引っ張られてしまいます。

ーーー

この点、無拠点生活(多拠点生活)の良いところは、この「だれてくる感覚」を定期的にリセットできるところ。

つまり、新年のような「強制的な区切り」を意図的に何度も作り出すことができるのです。

僕の場合、1週間〜長くても1ヶ月程度までしか同じ場所にとどまらないようにしていて、

住む場所も移動するので、その慣れが完全にリセットされて、また新たに自分が理想とする仕組み化を構築することができる(ルーティンを組み直せる)。

「21日(3週間)続くと習慣になる」と言われていますが、その習慣化までの実験を何度も繰り返し行えるような感覚です。

うまく継続できた習慣はそのままに、新たに組み込みたい習慣は、また場所を変えて再チャレンジできるというわけです。

ーーー

「この習慣を繰り返したら、この先にどんな景色が見えるのだろう?」

空間を移動するごとに、その「好奇心」を刷新することができる。

見知らぬ場所は、放っておいても好奇心が高鳴るタイミングですから、そこで習慣の先に広がる景色に対しての好奇心も一緒にリフレッシュできます。

すぐに「無拠点生活」の実践はなかなか難しいかもしれないですが、四半期ごとに2〜3週間程度、知らない土地に滞在してみるなどはリモートワークが急速に普及した今、多くの方が実践しやすくなったことだと思います。

「蓄積」よりも「循環」が重要視されるようになった現代において、この循環を組み直す(淀みない流れをつくり直す)感覚がとても大事なことのように感じます。

いつもこのブログを読んでくださっている方にとっても今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。


ーーー

5月のWasei Salonの説明会&外部イベントはこちら。

https://twitter.com/WaseiSalon/status/1387223421008760834