最近、自分の「ホーム」となるような場をつくることの重要性を感じています。

自分自身が「オーディオブックカフェ」というPodcast番組を始めてみて、ゲストの方をお招きする機会も増えきたことが、ひとつの大きな理由だと思います。

そんな中、今朝みずのけいすけさんがパーソナリティを務める「こたつラジオ」にゲストとして呼んでいただきました。

この体験がものすごく楽しかったので、自分自身が感じた満足感をもう少し分析しながら「ホームづくり」について重要なことを、今日は考えてみたいと思います。

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これまで自分は、紙媒体のインタビュー、ウェブメディア、音声、映像、いろいろな形式でゲストやホストの両方の立場を経験してきました。

一般的に、運営する側(ホスト)はどうしても「見返り」がすべてだと思ってしまいがちです。

具体的には、そのホームとなる場の社会的な影響力や権威性、謝礼(金銭)などなど、何かわかりやすいギブが存在しないと、ゲストは満足しないと思っている。

でも、どちらの立場も自分自身で経験してみて強く思うのは、ゲストで参加したときの満足感は、そのようなわかりやすい「見返り」なんかではないということです。

それよりも、自分の話に興味を持って、ゆっくりと聞いてもらえることのほうが終わったあとの満足感は非常に高い。

自分が忘れかけていた大切な景色だったり、これから考えてみたいと思っていたことを、ゆっくりと焦らずに聞いてくれること。それが本当の意味での「満足感」につながるなあと思います。

今回のみずのさんの「聞く力」は、その点でもとっても素晴らしく、まさに僕から大切な景色を引き出してくれました。(ミャンマーでの体験の話など)

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じゃあ、とにかくゆっくりと耳を傾けて、相手の話を聞いてあげる場所を用意すればいいのかと言えば、決してそうでもないところが「ホームづくり」の難しくも、非常におもしろいところ。

それだと今度は、ちょっと重たすぎるのですよね。

「自分のため」の聞く場所だと言われたときは、ひとは逆に心を閉ざすようにできていると思うのです。(あまり一般的には言及されないポイントですが)

たとえば、「あなたのため」と言われて設定されがちな「◯◯面談」の類いが、大抵の場合すべて居心地が悪いのは、間違いなくそのせいだと思います。

近年話題の「1 on 1」や「コーチング」のような空間なんかもそうかもしれません。

欧米の人たちはどうかわかりませんが、日本人の場合は、まずは大きな流れ(その目的地)が先に存在していて、その流れに相乗りさせてもらうような場合のほうが、実は居心地が良かったりする。

この点、日本のドラマでも映画でも「ヒッチハイク」や「ドライブ」の最中に大事なことをお互いにポロッと話してしまうシーンが多いですが、きっとそれは目的地に向かっている「流れ」の中にあるからだと思います。

他にもたとえば、何か作業をしているカウンター越しのバーテンダーのようなひとに対して、本音をポロッと話せてしまう感覚にも近い。茶道における「型」なんかも、もしかしたら茶室の中に人為的な「流れ」を生み出しているのだと言えるのかもしれません。

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この点、今回ゲストで参加させてもらった「こたつラジオ」に至っては、既に199回も配信が続いているそうです。

そうなると、199人目の自分が多少変なことを言ってしまったとしても、それもまた水に流れて消えていくだろうなと、そんな淡い期待があるからこそ、素直に話せたところは間違いなくありました。

これは方丈記の冒頭と全く同じ状態だなあと。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。 」


いついかなるときにも、その場所を流れている川に対する安心感と、その水は常に同じではないという安心感。

この相矛盾しそうな、でも紛れもない自然の摂理でもある「流れ」の中にだけ、ポロッと流せるものがある。

自分の発言がダムのように蓄積されてしまうと思ったら、逆にひとは素直に話せなくなってしまう。

そんなアンビバレントな安心感が「ホーム」ではとても大切なことだよなあと強く思います。

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きっと、自分にとっての大事な話って灯篭流しの「灯籠」みたいなものなんです。そこに滞留してしまうと思ったら、絶対に浮かべられない。

でも、いつもそこに存在している大きな川の流れの中に自然と消えていくと思えるから、初めてそっと流すことができる。

「こたつラジオ」は、そんな意味でも本当に良い取り組みだなあと思いました。これからも長く長く続いていく、大きな大きな川になっていって欲しい。


そして、「私のホームをつくってみたい」と思っていた方にとっても、とても参考になる取り組みだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

いつもこのブログを読んでくださっているひとにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。