SNSやnote、You Tubeのようなコンテンツ配信プラットフォームなどが一般化したことによって、誰でも自分の意見や考えを熱量高く発信することができるようになった現代。

一方で、無料で配信されているコンテンツがあまりにも増えすぎてしまったことで、どれだけインターネットの海に根気よく発信してみたところで、相当クオリティの高いコンテンツでない限り、誰にも見向きもされなくなってしまったのも現実です。

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そのような世の中において、いま少しずつ変化が起き始めています。

それがタイトルにもある通り「同じ熱量であればちょっとクローズドな場に投稿したほうが、逆にその熱量は伝播しやすい」ということです。

具体的には、似たような価値観を持つ人々が集まるコミュニティや、似たようなことに興味関心を持つ人々が集まっているクローズドなプラットフォームに、自らがつくり出したコンテンツを発信してみる。そうすると、オープンな場に発信した時以上に反応があるかと思います。

なぜなら、そこに参加しているメンバーは受け入れる準備ができていて、全員が少しだけ前のめりになっている状態だからです。喩えるなら、週末に行われている各地のマルシェやフリマ、セール会場に出店したようなもの。だからこそ、オープンな場所で発信するよりも明らかに反応がいいのだと思います。

インプレッション(閲覧数)はオープンな場の10分の1だったとしても、他者からの好意的な反応やコンバージョンは以前の10倍になるというようなことが、当たり前のように各コミュニティ内で起きてきています。

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これは僕自身が、Wasei Salonのようなオンラインサロンや、オーディオブックカフェのようなコミュニティラジオを運営している中でも、本当に強く思うこと。

受動的なスタンスではなく、能動的にピックアップしようとしてくれている人々が集まるコミュニティ全体の熱量や姿勢が、そのような変化を生んでくれているのでしょう。

とはいえ、いつもアウェイな場でコンテンツを分散して発信し続けていると、自らのストックが溜まっていかないという明確なデメリットもあるわけで、やはり自らのホームを耕すことは必須になるでしょう。

そうじゃないと、アウェイで興味をもってくれたひとたちが、より一層詳しく知りたいと思ったときに深堀りしてもらうことができなくなっていしまいますからね。

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では、具体的にはどのようにして、ホームで耕したコンテンツを少しクローズドな場において投稿していけばいいのか。

大きく分けて3つの方法があるかと思っています。それが「ハッシュタグの活用、コミュニティ内に転載する、お便りを送ってみる」ということなのかなと。

ハッシュタグはTwitterなどオープンな場での投稿時の場合です。コミュニティメンバーが多すぎて流れの速い場合にはあまり効果はないですが、コミュニティが生まれた初期段階には非常に有益な方法だと思います。

また、クローズドのコミュニティプラットフォームに参加したときは、いつも自分がホームの中で耕しているようなコンテンツを積極的にその場に合わせて転載してみること。このとき、当然そのクローズドなグループ内にいる人々のニーズに細かく合わせて、ある程度大幅な加筆修正や再編集は必須となるでしょう(そうしないと、ただの荒らし行為でしかない)。

最後は、コミュニティを形成しているメディアに「お便り」として、自らのホームで積み重ねてきた意見や考えを直接送ってみることです。コミュニティは基本的にメディアとセットになっている場合が多いので、メディアで取り上げてもらえるようにお便りとして送ってみると、その配信者を介在して、コミュニティ内に広く伝播していく可能性が非常に高いと思います。

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インフルエンサーに勧められるがままに、2010年代後半から自らも「情報発信」を始めてみて、それをTwitterやnote、You Tubeなど誰でも観られる場所で公開してみたものの、全く反応がない状態に耐えられなくなって、辞めてしまったというひとはすごく多い。

そんなひとほど、積極的にちょっとクローズドなコミュニティに参加してみて、自分の意見や考え型を改めて発信してみることを強くオススメしたいです。

オープンな場では誰も見向きもしてくれなかったコンテンツだったとしても、自分と興味関心が近い人達が集まるちょっとクローズドな空間の場合には、しっかりと反応があってきっと驚くはずです。

これは、2010年代と2020年代の明確な違いであり、まだあまり気づかれていない方法でもあるので、いまがある種のボーナスタイムだと思います。

同じ船のクルーに似たようなキャラクターが何人も同時に求められないように、これもたぶん2020年代後半になれば、いい感じのコミュニティには新規加入の余白がないということも起きてくるでしょう。

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肝は、しっかりとその共同体に貢献していく姿勢を持ち続けること。そうすれば必ずコミュニティ経済圏の中で、独立・自立できるような立ち位置を自ら築くことができるかと思います。

今日書いたお話は、F太さんと一緒に配信した最新回(第19回)の「オーディオブックカフェ」の中でも詳しく語っているので、ぜひこちらも合わせて聞いてみてもらえると嬉しいです。