最近、よく話題にあがる「フォローフォロワー時代の終焉」の話。

僕自身も、この変化は本当に強く感じています。

ただ、あまり言及されていないことのひとつとして、自分の肌感覚としてあるのは、以前よりも届いているひとには、ちゃんとしっかりと自分の伝えたいことが届いているなあという印象です。

この変化は、実はかなり大きいように感じています。

以前までは、自分の言いたいことがザックリとしか伝わっていなかった。名前も「鳥居さん」と頻繁に間違えられた。(正しくは鳥井です)

フォロー・フォロワー時代が終焉して、たしかに届いている全体の母数はゼロ一つ減った感じはありますが、ちゃんと伝わっているひとの数は、逆にゼロ一つ増えたような気がします。

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では、なぜそのような変化が起きてきたのか?

多くのひとが、リスト(プル型)で情報を摂取するようになってきているからだと思います。

「あちらが何かを届けてくれるなら、受け取ってもいいよ」という「プッシュ型」の許可制から、自分から積極的にその人間の情報発信を取りに行きたいと思ってもらえるかどうかの違い。

僕自身もたとえば、Twitterでは以下のようなリストをつくっていて、メンバーに入れているのは30名前後です(あと、オンラインサロンの中にもタイムラインが存在します)。

応援したいひと / Twitter

プル型の場合、ひとりの人間が管理できるのは、多くても50名前後じゃないでしょうか。

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このような自分自身の行動を踏まえてみても、日常的に眺めているひとの人数は10分の1に減ったけれど、その分ひとりひとりの活動には、以前よりもちゃんと追えているような実感があります。

そうすると、相手の活動にも自然と詳しくなってしまいますし、サブスクやクラファンのような何かそのひとが「挑戦しよう!」となったときにも素直に「応援したい!」と思えるようにもなる。

しかも、ただお金を支払うだけではなく、自らの労働力を用いて貢献したいとも思う。詳しくなっている分、友人に対しても積極的に紹介したりしてしまいます。

これが僕の思う「インターネットのスナック化」です。

これまでのインターネットは、とにかく大通り沿いで、派手で賑やかな立食懇親会みたいな感じが一般的でしたが、それが大きく揺らいできているのが今なのかなと。

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じゃあどうやって、お互いにプルし合う関係性を構築していくのか。

もう、様々なひとが言及しているので、今更感もありますが、そのためには少人数のイベントを複数回、愚直に繰り返していくほうがいいと思っています。

参加人数は多くても7〜8人ぐらい。お互いの顔と名前、そしてメインで取り組んでいることをしっかりと憶えられるぐらいの距離感の中で開催していくことだと思います。

どうしても、オンラインイベントにおいても、なんだか盛り上がっている感を出したくて、100名規模のイベントを開催したくなるのですが、そこにほとんど効果はない。

それだったら、同様の内容をYou Tubeにアップし、置き手紙のようにして非同期型にしたほうがいいと思います。

同期型のオンラインイベントの価値は「双方向性」にあって、お互いにインタラクティブに会話できることが何よりの価値だと思います。(オンラインの場合であれば、移動時間や会場準備の手間なども少なく、何回でも淡々と開催できるところも良し)

そのほうが、お互いにとって「リストに入れる50人」になれる可能性はグンと高まるはずなのです。

100名規模以上の大きなイベントは、今後リアルに限られて、ある種のお祭りのような感じになっていくと思います。(既にそうなりつつありますが)

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「じゃあ、新たな新規開拓はどうするの?」という疑問もここで浮かんでくるかと思います。

そのための解決策のひとつが「音声コンテンツ」なんじゃないかと思っています。

最近、僕自身が「会ったこともないのに、このひと気になるなあ」というタイプのひとは、ことごとく全員が音声のなかで出会った人たちです。

具体的には、好きなラジオ番組に登場するゲストの方々や、趣味趣向が近いひとにおすすめしてもらったPodcast番組のパーソナリティの方々など。

音声の場合は、他のコンテンツとは明確に異なり、何か別の作業をしながら「ながら聴き」することができるので、とりあえず最後まで聴いてしまうからなのでしょうね。

知らない人だからという理由で、すぐにスクロール(離脱)してしまわない。

そうやって最後まで話しを聴いているうちに、気づけば相手の活動や問いにしっかりと興味を抱いてしまい、名前もちゃんと憶えている。

僕自身が、配信する側として「オーディオブックカフェ 」に力を入れている理由も、そこにあります。

この番組を始めてみて、いま強く実感していることは、この番組で初めて僕のことを知ってくれた方々とは、お互いに不一致が非常に少ないという点です。すぐに仲良くなることができてしまう。

この点、ブログの場合は、意外と不一致が多かったりするんですよね。

ブログはトピックごとで拡散されていくという側面もありますし、テキストよりも音声のほうが人柄も含めて理解されやすいという点もあるのでしょう。

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あともうひとつ、新規の出会いの場としてこれから非常に可能性が高いなあと思うのは、地域(ローカル)で開催されるリアルイベントです。

都会のオシャレなイベント会場での出会いではなく、ローカルの自然の中で出会うと、すぐに仲良くなれてしまう。

お互いにあまり着飾っていないことや、大自然の中では「都市的な嘘や建前」が通用しないだろうなと直感的に感じてしまうことが、その大きな理由だと思います。

しかも、講師やゲストとして一方的に呼ばれて、ひとりでその地域に訪れるタイプのイベントではなく、コミュニティ対コミュニティの「交易」が生まれるようなタイプのイベントです。

その場合は、今日初めて出会った場合であってもすぐに仲良くなれてしまう。メンバー同士で「他己紹介」し合えるからなのでしょう。

目の前の相手のコミュニティ内での立ち位置や、その関係性を把握することで、相手のことをすぐ理解できるという側面も大きいと思います。(たとえば、相葉くんひとりに出会うよりも、嵐のメンバー全員と一緒に相葉くんに出会ったほうが、相葉くんの人柄をすぐに理解できるということに似ている)

ゆえに、出会う場所と、その出会い方(コミュニティ単位)は、地味にめちゃくちゃ重要です。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。

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