「人生でやりたいことなんてない」

若いひとたちの口から、よく聞く言葉です。

この言葉は、半分本当で半分嘘だと僕は思っています。

現実的に考えたときに「やりたいことがない」だけで、その現実の枠組みや制約を取っ払ったら、やりたいことなんてきっといくらでも浮かんでくるはずです。

ただし、大抵の場合、そういう夢や願望というのは実現可能性が極端に低くて、なんならもう手遅れだと感じるようなことばかりなのですよね。

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たとえば、20代半ば過ぎてから「アイドルになりたい」や「サッカーの日本代表選手になりたい」という夢はもう現実的に不可能だろうと。

たしかに、その「職業そのもの」になるということはもう不可能に近いのかもしれない。

でも、その職業になりたいと考える自分をさらにもう一歩深掘りすれば、その「欲する世界観」は今からでもいくらでも実現できると思うのです。

たとえば「アイドルになりたい」と考えたときに、なぜ自分はその職業に憧れたのかをもう一歩踏み込んで考えてみる。

ステージに立ちたいのかもしれないし、歌で人を励ましたいのかもしれない。もしかしたら多くのファンとの交流を楽しみたいのかもしれない。

これらは複数の職業に分けて実現すれば、20代半ばを過ぎてからでも、決して叶えられないことではないはずです。

そして、ここが今と昔の重要な違いだと思います。一つしか職業を選べなかった時代には潔く諦めることも重要だったのでしょうが、職業を3~4つ組み合わせてもいい現代であれば、それぞれの実現可能性は一気に高まるはずです。

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思うに、「私の中にある無謀な夢」というのは、むしろこの「自らの欲する世界観が一体何なのか」それを言語化するためにあるのだと言っても過言ではないと思います。

直感的に感じ取っていることであればあるほど、そこには私にとって望む要素がすべて詰まっているというサインでもあるわけですからね。

あとは、その職業の中に含まれる自分にとって望ましい要素をきちんと因数分解してみて、その世界観に到達するためにはどうすればいいのか、今の自分とのギャップをどう埋めていくのか、その戦略を丁寧に考える。

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具体的には、その世界観に辿り着くまでに存在する問題や課題はなんだろうか。

その原因は一体どこにあるのだろうか。

その原因に対して、どんなソリューションが存在し、私がいま実際に実行に移すことができるソリューションとは一体何だろうか、と。

大事なことは、この過程を通じて決断したことを、必ずひとつでも実行に移してみることです。

何も行動に起こさなければ、すべてが水の泡ですからね。

実際に行動に移してみると、必ず事態は動き出します。そして多くの場合、必ず大きな失敗をする。

でも、「自分の行動に自分で責任を持つ、起きたことはすべて楽しむ」と心に決めていれば、それさえも自分の人生のなかの印象的な一場面として刻まれていくはずです。

そして不思議なことに、その失敗というのは次の行動につながるヒントが必ず得られるようにもできている。

私に試されているのは、そのヒントに気づき、発見する力と、決して諦めないという情熱です。

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少しずつでも構わないから、自分の人生を転がし始めてみると、最初に思い描いていた通りの場所ではないかもしれないけれど、必ず確かな場所へと辿り着くことができる。

自分にとって、心から納得できる景色が目の前に広がる世界に必ず出会えるはずです。

それがどんな世界なのかは、今の自分には絶対にわからない。

ただ「これこそが私のみたい景色だった」と思える景色に出会えることだけは間違いありません。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの考えるきっかけとなったら幸いです。

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