多くのひとが、仕事で得られる対価は「お金」がメインだと捉えて日々働いていると思います。

でも僕は、「働く」ことで得られる価値は「お金」だけに限らず、大きく分けて3つの対価があると思っています。

具体的には、

金融資本(お金や金融資産など)
人的資本(経験や学びなど)
社会資本(人脈や評価など)

この3つです。

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プロジェクト単位でチームをつくり仕事をする場合、

目の前の仕事仲間が、この3つのうち、どれをいま求めているかをお互いに把握しておくことは、とても大事なことだと思います。

ここで齟齬が生まれてしまうと、その後の仕事の仕方にも大きく影響してくるからです。

今日はそんなお話を少しだけ。

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この点、「雇う、雇われる」の一般的な雇用関係は「金融資本」の条件に制限されてしまいがちです。

毎月の給与が欲しいから、他者に雇用されてわけですから当然と言えば当然のことです。

でも今は「金あまりの時代」で、貨幣価値がドンドン下がってきています。

そのかわり、人的資本や社会資本の価値が相対的に上がってきている。

そうなると、まずは人的資本や社会資本を増やすために、自分の時間と労力を投資して、あとから大きなリターンを得ようと考える資本家や経営者は少なくありません。

なるべく将来的に大きなリターンを得るためには、いま目の前の小銭を取りに行くことはあえて望まないというような考え方です。

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でも雇用される側は、それを良しとはしません。

それよりも、毎月月末に固定の給与を支払われることを望んでしまいます。

だからこそ、自ら仕事をつくれるひとたちは、縦の関係で雇用関係を結ぶよりも、横の関係でフラットなパートナー関係を結んで、求める資本が同じひとたちと一緒に働きたいと願うようになります。

お金の価値がドンドン下がる中で、日本円として刈り取ってしまうことが、あまりにもったいないと感じるからです。

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このような時代の変化のなか、プロジェクト単位でチームを組みながら働くことが主流になってくると、

お互いの求めている資本のタイミングが合うことはものすごく重要になってきます。

なぜなら「いまどの資本を強化したいのか」はそれぞれのライフステージや働き方の優先度において、その都度大きく異なってくるからです。

片方が金融資本を求めているタイミングで、片方は人的資本や社会資本を求めていると、わかりやすく「やりがい搾取」の構造に陥ってしまいます。

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そして「個人のポートフォリオを分散するべき」という話の本質はここにあると思います。

もちろん、リスクヘッジのために複数の収入先を得られるようにしておくことは大事なのだけれど、

それ以上に、この3つの資産の掛け算で、自己の「広義の資産価値の総量」が決まるわけだから、

複数のポートフォリオを持ち合わせることで、いろいろな人とこのタイミングが合いやすくなるようにしておくことは、これこらものすごく重要になってきます。


なぜなら、いついかなるタイミングで自分の目の前にチャンスが訪れるかはわからないから。

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もし、ひとつの仕事先しかないタイミングで、どれだけ人的資本や社会的資本が得られる魅力的な仕事が目の前にあらわれたとしても、

「金融資本(日々の生活費)が得られなくなってしまうから」という理由で、ほかの2つ資産を大きく増やせるチャンスをミスミス逃してしまうことになってしまう。

そうすると、いつまで経っても人的資本と社会資本が自分の中で積み重なっていかずに、「毎月の生活費を稼ぐ」というラットレースから抜け出すことができません。

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いついかなる時でも、その準備ができていること。

それぞれの「働く」プロジェクトごとに、芽が出るタイミングや時間軸をずらしながら、ポートフォリオを組み、分散していく。

いまこのような戦略を立てることが、資本家や経営者だけでなく、個人(労働者、個人事業主など)の中でも求められてきている時代なのだと思います。

いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。

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