フィンランド映画の『365日のシンプルライフ』を観た。

知人友人から何度か薦められていて、いつか観ようと思いつつ寝かせていた作品だが、今度この映画についてのワークショップイベントが開催されることになって、それに知人の方(その映画の配給をしている)がゲスト参加されるということで、それに参加したくて観ることにした。

簡単にあらすじを説明しておくと、主人公がある日部屋から全てのモノを倉庫にしまって、「1日1個倉庫からモノを取ってきて良い」というルールのもとで1年間生活をする、という話だ。

今回は内容には触れないが、モノを所有することについて再考するよいきっかけになる作品だと思う。

作品を観ながら、僕は「自分だったら何が最初に欲しいかなぁ?」と考えてみたが、めっちゃすぐに答えが出た。

僕が最初に選ぶモノは、「実家」だ。

「倉庫にあるものじゃないじゃん!」というツッコミが入りそうだが、まぁ大目に見てほしい。

肝心なのは僕にとって一番大切なモノが「実家」だということだ。

概念としての実家ではなく、僕の故郷である静岡県静岡市にある、自分が生まれ育った場所としての実家が欲しい。

なぜか。

それは、去年亡くなった父の象徴であり、家族の思い出がつまった場所だからだ。

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父は去年の今ごろに海難事故で亡くなった。割と大きなニュースになった、千葉県の銚子沖で起きた貨物船同士の衝突事故で。

突然の別れに、どうしても僕の中には悔いが残り続けている。

もっと親孝行をしたかったな、と。

親孝行を全くしていなかったわけではない。むしろ周りと比べたら日頃からちゃんとやっていたと思う。

というのも、10年前にも大切な親戚の叔父さんが転倒事故で亡くなって、「ある日突然に大切な人がいなくなることは起こり得る」ということを学んでいたから、意識的に両親への恩返しをするようにしていた。

そうは言っても、こまめに実家に帰っては両親と隠し事をせずに対話したり、記念日にプレゼントを贈ったりしたくらいだが。

もっと、旅行に連れていってあげたり、結婚して子供を作って孫の顔を見せてあげたりしたかった。

しかし、覆水は盆に返らない。

だから、せめて父の遺志を継ぐことが亡き父に対しての親孝行だな、と考えている。届くかどうかは知らないが。

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父は母のことが大好きだった。

船の仕事をしていたから、離れ離れの時間が多かったのだが、毎日10回くらいは暇を見つけて母に電話を掛けていたし、陸に戻ってきたときはよく一緒に温泉に行っていた。

ことあるごとに僕たち子供に対して「お父さんとお母さんは愛し合っているからな!」と自慢していた。聞いてもいないのに。

だから僕は、父の代わりに母を幸せにしてあげなければならない

もちろん子供として僕は母を愛しているから、母を幸せにしてあげたい想いは以前から持っていたが、父の死をきっかけにそれが確固たる使命に変わった。

そのとき、僕は「実家」を守らなければいけないと直感した。

父が一生懸命働いて建てた戸建ての一軒家。

航海で不在が多かった父に代わり、母がずーっと守り続けてきた場所。

そこで僕らが生まれ育ち、家族の思い出を沢山作ってきた場所。

母にとって、父のことを一番感じられるモノは、この家に他ならない。

だから、僕が選ぶ必要なモノの最初の一個目は「実家」なのだ。

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皆さんが選ぶ最初の一個目は、なんですか?
(なんか終わり方がよくわからなくなっちゃった。てへぺろ)