「その土地の独自性をちゃんと理解するためには、ずっと同じ場所に住んでいることが重要だ。」

一般的には、そう考えられています。

でも僕はその真逆で、その土地にずっと住んでいないほうが、その土地の変化に対して敏感になれると思っています。

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具体的には、ある程度(数週間〜数年)滞在して、一定期間(数ヶ月〜数年)その土地を離れ、またその土地を訪れる。

それを繰り返すほうが、その土地の独自性や変化に対してより敏感に気づけるようになる。

きっと、その土地を一旦離れることによって、その場所に住んでいた時には「あたりまえ」になっていたことが、自分の中であたりまえではなくなるからなのでしょう。

感覚が一度リセットされるようなイメージです。

例えるなら、香水を嗅ぎ比べているときに、一度嗅覚をリセットするために、コーヒー豆を嗅ぐ動作に近い。

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そして、ここで難しいのは、それでもすぐに慣れてしまうということです。

人間の適応能力とは、本当に凄まじいものがある。

だいたい3日〜1週間もすると、以前と同じように、違和感だと感じていたことが、もう違和感ではなくなってしまいます。


これも、つけすぎた香水の匂いにすぐ慣れてしまうことによく似ている。

久しぶりに戻ってきたときにふわっと感じる「あれっ?」にどこまで敏感になれるかが勝負。

ここで、どんな違和感に気づくことができるかが、その土地の持つ独自性を理解する上でとても大切なことだと思います。

多くの人が経験したことのある近しい感覚だと、海外旅行から帰ってきた瞬間は日本の特殊性が痛いほどよく理解できたのに、家に帰ってきて数日も経過すれば、また以前と同じような生活に戻ってしまうアレに似ている。

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そして、この違和感を自分の中でどう解釈して、自己の行動や思考に活かせることができるか。

昨日書いたブログなんかはまさにその違和感をもとに書いたブログです。

https://wasei.salon/blogs/675775ebfb5e

これはもちろん、土地に限らず、人や物、食など定期的に摂取し続けているモノやコトであれば、まったく同じこと。

その対象を本当にちゃんと理解したいのであれば、摂取量や摂取時間を無闇に増やしてしまうのではなく、一旦ちゃんとゼロ地点まで引いてみる。

そうすることで、新鮮な目線から、客観的に判断できるようになるのかなと思います。

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今このコロナ下において、これまでの「あたりまえ」を改めて見直すうえで、とても大切なことかと思います。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。