この記事のタイトルは、この本の中に出てくる一節です。
このタイトルを読んで「あれっ?」と思った方もいるかもしれません。
「他人の評価に合わせているのだから、むしろ嫌いな人が減るのでは…?」と。
「逆に、自分の価値を自分で計ってしまうと、自分勝手な傍若無人な態度を取る人間となってしまい、独裁者のように、ドンドン気に入らない人間を排除していってしまうような気がする」と。
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しかし、著者の伊藤守さんは「自分の価値を他人の評価で計っている限り、嫌いな人の数は減らない」と主張します。
その理由について、少し引用してみましょう。
ー引用開始ー
わたしたちは、自分を認めてくれない人、自分を受け入れてくれない人、自分を否定する人、あるいは、自分に自分の思っているような評価をしてくれない人、自分を自分が思っているように扱ってくれない人のことを嫌いになります。
要するに、相手の自分に対する評価が気に入らないとき、その人を嫌うのです。
だから、あなたが、自分の価値を他人の評価によって計っている限り、嫌いな人の数は減らないでしょう。
あなたが、自分で自分の価値を実感する習慣を身につけていくとき、嫌いな人は減っていきます。
ー引用終了ー
これは、本当にその通りだなあと感じます。
今まで自分が嫌いだと感じた相手を思い返してみても、知人や友人が他者を嫌う姿を客観的に眺めてみても、すべての場面において、この枠内におさまっているように思います。
特に、苦手な上司や仕事相手、理解してくれない親兄弟や、自分のことを大切にしてくれないパートナー。
「このひとからは、こんなふうに評価して欲しい!」という願いが強く具体的な相手にほど、嫌悪感を抱きやすいのも、そのためでしょう。
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一方で、自分で自分の価値をしっかりと実感できるようになれば、嫌いな人が減っていくのも事実です。
嫌いな人が少なそうに見える人ほど、普段から自分の価値を自分で定めているように見えますし、僕自身の近年の変化を通じてみても、これは強く実感するところです。
いちいち他人の評価に対して一喜一憂することがなくなるため、これまで嫌いだった相手のことも素直に認められるようになるんですよね。
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そしてそうなると、誰に対しても、自分がまさにそうしているように、相手の評価軸を大切にするように促していこうと思いますから、相手の中にある「自己評価」や「価値観」を優先して接するようになる。
そうすることで、結果的に、相手は自分のことを認めてくれたと感じる機会が増えるでしょうから、より一層、あなたのことを好きになってくれるはずです。
まさに、いいことだらけ。
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そして、やっぱりここでも大切なことは、まずは自分から先に変わることなんですよね。
そのためには、相手に対して何か具体的に働きかけを行おうとするのではなく、まずは自分の自分に対する評価を見直すところから始めればいい。
とても単純なことではありますが、嫌いな人が多い方ほど一度試してみる価値のある考え方だと思います。
いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。