いわゆる株式投資において、押し目買いのような挙動は基本的には悪手です。

伸びている株に順張りするのが正攻法。

もちろん、相場全体が下落フェーズにおいてその市況感につられて優良株も下げてしまっているときに、その銘柄を全力で買い増しをするのは大事な観点かもしれないですが、その株だけが下げているときに入るのはなかなかに危険な行為。

でも、トークンにおいてはむしろそのような行動のほうが、本当に価値を持つようにもなるのかもしれないなあと。

なぜなら、それは、みんながやろうとはしないことだから。全然、経済合理的な行動じゃない。でもも、そんなときにもはっきりと「価値」が生まれるのが、NFTやFiNANCiEのトークンの興味深いところだなあと思っています。

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それは、一体どういう意味なのか。

価格が上がっているときに持ち続けていることに「こんなにも含み益が膨らんでいても、決して私は手放さない」ということが価値があることなら、

その逆も然りであって「下がっているときに、それでも私は損切りをしていない、何なら買い増しをして応援している」という意思表示することができるということですよね。

これは、いわゆる株式市場のような相場ではありえないことです。それは単純に「損切りができないダメなやつ」で終わるはず。

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こんなたとえ話が果たして適切なのかはわからないけれど、例えばクラスのみんながいじめているときに、それでもそのいじめられている子と付き合うのって、なかなかに勇気がいることです。

でも、いじめの対象だからといって、人間的な尊厳が欠けるわけではあるまいし、本人の性格が悪いわけでもなんでもなく、ただただ教室内のロシアンルーレットみたいな「空気」の犠牲になっているだけの場合だってある。

しかし、そのような原理がわかっていてもなお、多くの生徒は自分もそこに巻き込まれたくないから、自分もいじめる側に回ったり、無視する側にまわるわけじゃないですか。

そのときでも、自分から積極的にいじめられている子の隣にいって黙って寄り添い、共にいる、という選択肢を選ぶことができるひとは本当に少ない。

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ただ、web3の文脈においては、この「隣に寄り添い、ただ共にいる」ということを客観的な証明ができるようになるんだろうなあと。

ここが今日一番強く強調したいポイントかもしれません。

つまり、価格が上がろうが下がろうが、この関係性において経済的なメリットで左右されてしまうような信頼関係ではないということをその価格が見事に上下するからこそ、証明できる。

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もちろん、狭い意味での投資「単純にお金を増やすゲーム」においては、順張りが圧倒的に正しいことは間違いない。そこはくれぐれもそこは誤解しないでいただきたいです。

ただ、Web3やトークンエコノミーに関しては、もっともっと広義の投資「広義の資本を増やすゲーム」という意味では、これも戦略として何も間違っていないと僕は同時に思うんですよね。

本当に、ただお金だけを増やすことが投資だと思っているひとにとっては、絶対に伝わらない話をしてしまっている自覚はあるのだけれども、そうすることで、金では買えないものを、ある意味お金を使って、買えているわけだから。

いや「買える」という表現は適切ではないかもしれない。あくまで意思表示として示すことができて、手に入れることができる、という言い方が厳密には正しいと思います。

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つまり、自分が相手のことをどれだけ大事に大切に思っているのかを、その私の本当に信じている姿勢みたいなものを、トークンの所持の有無で示せるということ。

何年でも何十年でも、どれだけ変動があっても黙って持ち続ける、そうやって自分の姿勢を見せながら、、目の前の相手が目指している未来に対する共感を示せるわけです。

今後は、そんなふうな意思表示をしてくれた人たちだけに向けて、つまり絶対に手放さないと宣言している人たちだけに向けて、FiNANCiEを使ってファンディングをするところもあらわれるではないだろうか。

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ここまで読んでくださった方々には、「なにそれ、それだったらFiNANCiEの意味まったくないじゃん!」と思うかもしれないけれど、でもむしろそれが本質的な「クラウドファンディング」なんじゃなかろうかとも思うんです。

僕らはどうしても「返礼品としてトークンを渡す」という仕組みは、いつかそれが値上がりして、初期のファンディングで支援したときよりも高値で売れてキャピタルゲインを得られるかも?という期待部分が、このサービスの凄さだと語りがち。

確かにそれも間違いなくそうなのだけれども、それだけじゃなくて、その金銭的価値の増減の重み付けによって、自分の意思表示を、客観的に証明できる手段できるようになったこと、それがFiNANCiEの一番革新的な部分のひとつと考えることはできないのか。

それが今日の僕の主張です。

最初から一ミリも売買する気がない中で数字として「価値」が表される、いま蓄積されている客観的な「資本」に対して、市場に参加している全員が同じ幻想を共有して自覚的になれることそこにこそ、意味がある。

そうやって、真に信頼し会える仲間が集ってお互いに大事なものを握っていると錯覚できる状態に生まれる充実度というのは、間違いなく存在してると思うのです。

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さて、なぜ、こんあわかりやすくブル相場の中でベア相場で起きるようなことを、僕はいま淡々と考えているのか。

それは昨日、東京で開催されたIKEUCHI ORGANIC10周年記念トークイベント「これからの10年の話をしよう」に参加してきたからです。

タイトル通りイケウチさんが「イケウチオーガニック」と社名変更してから、10年間の歩みを振り返るようなイベントでした。

池内代表の対談相手はイケウチオーガニックの大株主であり元・鎌倉投信のファンドマネージャーの新井和宏さん。

おふたりのお話を聞いていて、やっぱり一番おもしろいなあと心掴まれてしまったのは。共に「冬の時代」を乗り越えてきたお話なんですよね。

聴いていただけで、本当に感動する。最初の出会いから山あり谷ありの中でも、ずっと共に伴走してきた、その力強い歩みが本当に強く伝わってきました。

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一般的に、ビジネスというのは、イケイケドンドンのときはお金もひとも集まります。

イケウチさんの場合、テレ朝の報道番組「ニュースステーション」の中で会社の特集を組まれたときがいちばんのバブルの時代だったと代表ご本人が語られていたけれど、そのあとにも、本当に様々な紆余曲折があったわけです。

出店して、半年で撤退があたりまえの青山の骨董通りのテナントで10年間もお店が続いていることのすごさ、です。

僕がイケウチさんを知ったのは大学生の頃だから、今から約15年ほど前。そこからでも、様々な軌跡がありました。

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で、さらにイベント後半部分で印象的だったのは、「自分に金銭的な見返りがある必要はないんです」と新井さんがとてもハッキリと明言されていたことです。

投資家なのに、これは本当にすごい発言だなあと。

株式で投資をしていて圧倒的な大口の投資家にもかかわらず、一切そこから利益を得るつもりがない。

それよりも「この本物のものづくりが、次の世代にちゃんと受け継がれていけばいい」と。

その次につながること自体に価値を感じているというような話が語られていて、きっとこれからイケウチさんがどれだけ大成功しても、新井さんはこれまでと変わらずに淡々と大株主でいられるんだろうなあと。

あー、これだよなあと思いながら聞いていました。

だから新井さんにとって「持ち株」というのは完全に「おまけ」に過ぎなくて。

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でも一方で、じゃあ株式というつながりが最初からなくても良かったのかというと、間違いなくそうじゃないんですよね。

これがまた非常に重要な視点だと思うのですが、おふたりが「投資家」と「経営者」という関係性だったから、今がある。

そうやって、「株式」という仕組みにおいてガッチリとつながっている、そのような目に見える関係性がなかった、決して生まれていない関係性だなあとも同時に思ったのです。

これは、どれだけお付き合いの長いお客様や取引先、従業員と経営者の関係であってもこうはならないはず。

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で、この株主と経営者の関係みたいなエンゲージメントが、これからは民主化されて小口化されていくよ!というのが、たぶん今回のトークンエコノミーのすごいところだと思いますし、今のFiNANCiEが革新的なところなんです。

僕は、ここを目指していきたいなあと思いました。

ともに歴史を歩んでいる同志であるという実感値、その充足感や満足感が、トークンという手段で民主化されて、僕ら一般人でも味わえる。

少なくとも、今のトークンは株式のように経済価値の裏付けや法的保護が存在しない以上、むしろこっちのお互いの認識、そんな「幻想」の方に、トークンの価値を見出したほうがいいと思います。

繰り返しますが、そのトークンの値上がりなんていうのは、本当に「おまけ」みたいなもの。

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なにはともあれ、昨日のイベントを通じて「なんだ、こんなにも身近に今僕らが目指している世界観の先輩たちが、すでに存在してくれていたんだ!」と本当に感動しました。まさに灯台下暗しとはこのことです。

自分たちが思う「本物」を突き詰めていって、自分たちにとって「後ろめたくないこと」を徹底し、それに共感する仲間たちと共に日々高め合っていきながら、次の世代にバトンを渡していこうとすること。こんなに喜ばしいことってないだろうなあって。

もちろん、すべての「投資」がこうなればいいなんて全く思っていなくて、個別株投資やインデックス投資など、グローバルの経済活動にはしっかりと「お金を増やすため」に参加しつつも、こういう「ときめき投資」も豊かさや生きがいを実感するためには、かならず必要になってくるはずです。

それを目に見える形で表してくれて、さらにそれが複利で増えていくのが、これからのトークンエコノミーのひとつの大きな可能性だと思っています。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となっていたら幸いです。

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最後にお知らせです!ぜひVoicyのほうでも、聴いてみてください!