本日から、新しいPodcast番組「IKEUCHI ORGANIC と 坂ノ途中 のなんでやってんねやろ?」がスタートしました。


イケウチオーガニックさんは、いつもこのブログの中でもご紹介しているので説明不要かとは思いつつ、愛媛県今治市に本社を構える会社で、僕が世界一だと思っているタオル屋さんです。

そして、坂ノ途中さんは「100年先もつづく、農業を。」をモットーに、野菜の定期宅配サービスをメインの事業として行っている京都の会社さんです。

過去に、灯台もと暮らしの企業特集でも取り上げさせてもらいました。


灯台もと暮らしの中では、これまで過去に3社の企業特集を組んできたのですが、あともう一社は、石見銀山にある群言堂さんです。

イケウチオーガニックさんも含めたこの三社に関しては、僕の中でも完全に別格の企業という認識で、見ている世界のその先やその次元が他の企業や団体とは全く異なる。

本当に心の底から尊敬している三社になります。

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で、今回の新しいPodcast番組の僕の立ち位置は、ディレクター的なポジションとして入らせてもらっています。

実は、今回の番組は、僕のほうから「このような取り組みをやってみたい」と提案させてもらいました。

もともと、池内代表のPodcast番組を企画したいというアイディアが、僕の中に降ってきて、それは、大阪にある「松下幸之助記念館」を訪れたことがきっかけでした。


このときに松下幸之助という創業者本人の肉声が残っていることが本当に大事だなあと強く思ったんですよね。

松下幸之助の書籍なども本当に素晴らしいものばかりだけれども、それ以上にやっぱり、音声が残っていることも大事なんだって、改めて思いました。

Panasonicが今日も、日本トップの家電メーカーとしてグローバルな企業として継続し続けているその理由は、創業者の信念が、本人の声を通じて、時空を超えて社員にゆき届き続けているところにもあるはずで。

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で、この記事の中にも書いたのですが、僕はこの展示を見ながら、ずっと池内代表のことを考えていたんです。

池内代表はもともと若いころ、家業のタオル屋さんを継がれる前までは、松下電器に務めていた時期もあったというお話を以前伺っていて、それを事前に聞いていたのはかなり大きいと思います。

そして、数々の展示を見ながら、松下幸之助と池内代表の想いが重なる部分がすごく多いように感じました。

池内代表が思い描いている「2073年にまでに、赤ちゃんが食べられるタオルをつくる」という目標を、これからの未来において必ず実現し達成するためには、池内代表のものづくりや経営の哲学を、音声として、未来に残していくことは必ず価値があると思ったんですよね。

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ただ、代表おひとりで喋っていただくのもきっと大変なはずなので、一緒に語り合えるお相手が必要だと思って、一体誰が良いのだろうか?とずっと考えあぐねていたところ、

そのときに、ちょうどイケウチオーガニックの京都ストアの9周年イベントで、池内代表と坂ノ途中の小野さんの対談イベントが開催されたんです。

そのときに、これだって思いました。

このおふたりの組み合わせで語られるお話は、いつも本当におもしろい!

なんというか、足し算ではなく、いつも掛け算になるんですよね。美しいシナジーがそこに生まれている。

目からウロコがポロポロと落ちてきて、僕はいつもお二人の対話を聴きながら、心から感銘を受けてしまいます。

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それはきっと、お二人ご自身の中にある独自の視座から常に世の中の物事を捉えていて、そしてその視座から、鋭い切り口で物事を語ってくれるから。

その時に決して、世間におもねるわけでもありません。

でも一方で、そこにはもちろんお客様や環境も含めた、すべての生きとし生けるものに対する深い愛情も存在する。そして実際にそれを自らの事業で体現されている。だから、とっても刺さるんだろうなあと。

おふたりは、表面的な言葉だけではなく、もっともっと深い信念の部分で共鳴している感じがします。それが聞いていて本当に心地よいわけです。

このおふたりなら最高の番組が生まれるはずだと思い立ち、Podcastの番組作りをしてみるのはいかがですか?と、すぐに企画書をつくって提案し、実際に結実したのが、今回の番組となります。

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あと、個人的には、今回の番組において特筆する点があるとすれば、その番組名とアートワークが最高だなあと思っています。

まさに、ズバッとハマった感じがします。

これは僕の勝手な先入観ではあるのですが、過去これまでさまざまなメディアの立ち上げに関わってきましたが、名称とそれに合わせた象徴的なアイコンが決まると、非常にうまくいきやすい場合が多いなと思っています。

今回はそれが見事にバチッとハマった感覚がありました。

このタイトルが決まった背景は、ぜひ来週以降の配信を直接聴いてみて欲しいのですが、実はずっとタイトルが決まらないまま、本番の収録に臨んだのです。

そして、見事に収録中に降ってきた奇跡みたいな展開だなあと思いました。

ちなみに、アートワークをつくってくださったのは、坂ノ途中さんの社内のデザイナーさんで、企画書1枚と、テスト音源しかない中で本当に素晴らしい作品をしあげてくださって、大変感謝をしています。

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番組名の通り「なんでやっているんだろう?」という問いから始まり、そんな自分たちの事業などさまざまな意義を問うことが、この番組の主題となり、これは今とても大事なことだと僕は思っています。

世間において、何かわかりやすい目標や企業理念みたいなものがもう完全に機能しなくなった時代になってきたことも大きな要因だと思います。

ただし、そのような自己を懐疑するような視点というのは、テキストでやるとどうしてもシビアになりすぎてしまうきらいもある。

そして既存のファンの方々や、応援してくれている方々にたいしても、余計な不安な想いをさせてしまう可能性もあります。

でも音声だと、それはまた違うニュアンスを帯びて届いていく。

また、幸いにも今回は京都ストアの益田店長の司会進行や、小野社長のネイティブな関西弁が見事に、それを中和してくれている気もします。

意味や情報だけでなく、音で聴いていても、なんだか心地よく、方言というのは改めてすばらしいなと実感しました。

特に関西弁は、音が命みたいなところがあると思っています。意味だけではなく、身体性に訴えかけるものが、間違いなくそこに存在している。さすが、東京(標準語)よりも、歴史が圧倒的に長いだけあるなあと思います。

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あと、企業同士がコラボをしてPodcastなど、何かしらの共同制作の事業やメディアを行うことは、これからとても大事なことだなあと思っています。

最近、東京に新しくできている商業施設などのテナントの変化などを見ていても、それは強く感じます。

店集めや、来店してもらうお客さんの想定、そんなペルソナの作り方にとても苦戦している印象がある。趣味趣向やコミュニティが細分化しているから、これは仕方がないことでもあると思います。

その中で、どれだけ知名度や人気者同士で一つの商業ビルの中で、相互送客をしてもあまり意味がないように思えます。

消費者側(視聴者側・リスナー側)も、もうそんなことに騙されない。

もっともっと、本質的な部分での共感や共鳴していることが大事になってくるはずだと思うんですよね。

この10年で大きく変化したことは、旗を立てること自体がとても簡単になったことです。

ただ、その旗を支え合うこと、しかもそれが経済的なメリットだけではなく、もっともっと深いところでつながった形として、お互いが立てた旗をお互いに支え合うことは、まだまだ発展途上の段階で、きっとこれからは、ここをうまく乗り切った企業や団体が生き残っていくのだと思います。

そしてここに、新しいコミュニティが生まれてくる萌芽もある気がしている。

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最後に、創業者自らが語るPodcastの新たな形を、この番組を通して示していくことができたら、本当に嬉しいです。

そしてその声がちゃんと未来に向かって、しっかりと残り続けていくこと。それが、結果的に今この瞬間の「現実」にも強く影響を与えて、未来が少しずつより良い方向へと変わっていくはず。

新聞やテレビ、雑誌などメディアに恣意的な編集がなされることなく、自分たちの手で編集権限を持ちながら、音声発信することの価値は、いま間違いなくあるなと思います。

今後は多彩なゲストも呼んでいきながら、何よりも楽しく愉快な番組にしていきたい。

ぜひ、みなさんも聴いてみてください。毎週月曜日に配信予定です。