コロナが落ち着いてきて、オンラインだけではなく、リアルで人と交流することが増え始めたここ1ヶ月。

本当にたくさんの方々と実際にリアルでお会いしながら、久々にゆっくりとお話したような気がします。

その中で、いま改めて思うことは「自分が他者と対話しやすい距離感を見つけることは、本当に大事だよなあ」ということです。

実際にお互いが直接同じ空間を共有して、面と向かって話すことだけ対話ではない。そんなことを、今日はこのブログで少しだけ書いてみたいと思います。

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「対話までの距離感」について考えるとき、いつも思い出してしまうのが、美容室「らふる」の中村さんのお話です。

中村さんは、本当に美容師さんなのかなと疑ってしまうほど、さまざまな話題に精通していて、どんな話題であっても必ず的確な返答をしてくれる対話上手な方。

その対話のスキルは、そのへんのカウンセラーや臨床心理士なんかよりも明らかに勝るレベルだと思いますので、ぜひ一度体験してみて欲しいです。


そんな中村さんが、ご自身では自分のことを人見知りだとおっしゃっていて、「あまり人と喋るのは得意じゃない」と言うから「いやいや、それは絶対に嘘です!」と伝えると、

「美容室の”鏡越し”だと話せるんです」と仰っていたのです。

そんなことあるのかなあと思い、実際に一緒にごはんを食べに行って改めてお話をしてみると、たしかにいつもとは様子が異なりました。

僕は、この「鏡越しだとお話ができる」って、すごくおもしろい距離感の話だなあと思うのです。

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つまり、本人の「個性」や「力量」ではなく、場によって引き出されているということです。

そして人間という生き物は、いろいろな障壁を挟んで、他者とのちょうどよい距離感を模索しながら対話をしているのです。

鏡越しに限らず、カウンター越し、手紙越し、マイク越し 、Zoom越し…などなど、ありとあらゆる距離感がこれまでに生み出されてきました。

もちろん整体のように、身体的にはゼロ距離の、でもほとんど目は合わせない距離感の対話だって存在します。

きっと「はたらく」とは、自分にとってこの対話する際の「ちょうどよい距離感」を見つけることなのかもしれないなと思うのです。

現代のように職業が多種多様になったことも、すべてはこの距離感を探った結果のような気がしてならない。

それぐらい距離感って「他者との対話」において非常に重要な要素です。

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そして、この「距離感の心地よさ」は、ひとによって全く異なることも不思議。

これまで様々なひとに「はたらく」についてインタビューさせてもらってきましたが、ひとりとして同じ距離感を語ったひとはいませんでした。

それぐらい、対話の距離感のちょうどよさは、千差万別なんです。

私にとって心地よいと感じる距離感が、地獄のように感じるひともいれば、私にとって地獄のように感じる距離感が、天国のように感じるひともいる。

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もちろん、対話する他者というのは「現代に生きている人間」だけとは限らないでしょう。

動物や植物、虫と対話するというひともいますし、既にこの世に存在しない死者や、未だ生まれてきていない未来の人々と対話することだって十分にあり得る。

ただひとつだけ明確に言えることは、絶対にあなたにとっての適切な他者及びその距離感は存在するということです。それだけは間違いなく断言できます。

そして、それは常に移り変わり続けている。決して固定化することなく、アメーバのように変化し続けている。
だからこそ、他者や世界との距離感を日々問い続けていくことが、私にとって納得感のある「はたらく」にたどり着くためのいちばん重要な要素だと僕は思います。

どれだけ過去に心地よかった距離感であっても、その距離感に執着してしまうと、良いことなんて何ひとつありません。

そして、この距離感を問い続ける終わりのない態度や姿勢こそが、「生きる」ことそのものでもあると感じています。

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最後はなんだか大きな話になってしまいましたが、「私は仕事で人と話すことが苦手、他者と接することがヘタクソなんだ」と悲観的になって絶望しているひとは、

むしろ距離感のほうを調整して、自分にとってのちょうどよい他者との距離感を探ってみることを強くオススメしたい。

そのためには、様々な距離感を実践している方々と実際にお会いしてみて、自ら対話してみることが何よりの近道だと思います。

たぶん自分が考えたこともなかったような距離感で、心地よく生きているひとたちがいることに驚かれると思います。このWasei Salonも、そんな方々と気軽に出会える場のひとつ。

いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、今日のお話が何かしらの参考となったら幸いです。

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