学生時代、初めて東南アジアを訪れたときに、学生ながらに衝撃を受けて今でも強く記憶に残っている光景があります。

それは、日本では肩身狭そうにしているであろうおじさんが、円の強さを武器にして豪遊している姿を見たことでした。

戦時中、日本がアジア各地を植民地として占領していたときに、現地の人々を人間扱いしていなかったという話は歴史の中でよく勉強する話だけれど、つまりはこうゆうことだったのだろうなあと、その時に初めて、歴史上の出来事と現在がなんだか地続きになった気がしました。

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歴史の中で「修身斉家治国平天下」と立派なことを言っていた人たちが、海外ではまったく異なる振る舞いをしていたという事実は、本当に不思議でしょうがなかった。

でも大人になってから改めて考えてみると、そのような窮屈な道徳を上から無理やり押し付けられ、そこに自らの納得感が存在しなければ、それは多大なストレスになってしまうということなのでしょう。

そして、そのストレスの発散場所として、非常に都合のよい土地として国外であるアジアの植民地が選ばれていたんだろうなあと。

そこには「愛」はもちろんのこと、他者に対する「敬意」や」「尊重」という心的態度さえ存在しない。

上述したような東南アジアで豪遊しているおじさんも、大企業の中で上からのプレッシャーだけが与えられて、日々やりたくもないような仕事をしていれば、全く同じようにそのような振る舞いをしてしまうということなのだと思います。

今でもなぜか、その時に見た光景を昨日のように思い出してしまいます。

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さて、いま世界中の人々が、そのようなストレスの発散場所を求めていていることは間違いありません。

どの先進国でも「ポリティカル・コレクトネス」が反乱している世の中ですからね。

そんな中で、圧倒的に治安が良くて、ご飯が美味しくて、国民が優しくて従順な日本というのは、微笑み国と呼ばれるタイなんかと比べても、比べ物にならないくらい理想的な土地だと思います。

だからこそ、世界中にいるそんなストレスを抱えているひとたちに対して、「日本は他国に比べて安いですから、ぜひ日本に来てください!」とPRすれば、たしかに世界中から人は集まってくるでしょう。

でも「本当にそれでいいの?」って思ってしまう。

ちきりんさんのVoicyを聴いていて、改めてそんなことを考えてしまいました。



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僕は、そのような施策は、あまりにも目先の利益だけを狙いすぎて、ほんとうの意味での「共存共栄」というスタンスから完全に逸脱してしまっているのではないかと思います。

一方で、このようにアピールすればするほどわかりやすく成果や結果が出てしまうのも事実。だからこそ、より一層その施策に頼らなければいけないような構造に陥ってしまう。

まさに悪魔との契約そのものです。

我が地元である北海道の函館市も、まさにそのようにして台湾を中心とした海外からの観光客を相手にビジネスを広げていたら、コロナによって大打撃を受けたというような非常にわかりやすい観光地のひとつです。

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そもそも、「もしお金が支払わなれくても、それを実行するですか?」と聞いてみたくなる。

参照:レトロアクティブという概念を知り、レトロアクティブを狙わない。

「消費し合わない関係性、消耗し合わない関係性」が大事である、といま少しずつ若いひとたちが気付き始めている中で、政府が「うちの国はバーゲン会場だから、消費しに来てくれ!」と斡旋することは、百害あって一利なしなのではないでしょうか。

そういえば少し前に、以下のようなツイートをしたときに、本気で地域づくりと向き合っている僕が尊敬してやまないおふたりが、こんなリプライを送ってくれました。

おふたりの意見には、本当に同意です。

あるべき共存共栄に向けて、行動経済学でいうところの「ナッジ」を行っていくことが、とても大事なことだと思います。たとえ、そこですぐに結果が出なくとも、です。

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行政であっても民間であっても、現場で働いているひとたちは、目先の利益を生み出すことだけがKPIとなっているため、このまま行けばひたすらに安売りを繰り返すことになるでしょう。

そうすれば自分たちに課せられた仕事の義務は果たされるし、組織内で昇進することも可能になるのだから、ある意味では仕方ないことです。

現場で働くおひとりおひとりには、それぞれの生活がありますからね。

しかし、地域でも国家でも、もっともっと大きな視点、大局観から捉えるひとがいなければ、本当に数十年後には存在それ自体が破綻してしまうことになるのではないでしょうか。

このあたりのお話は、文章だけでは伝わりにくい話だとも思うので、またVoicyの中でもお話してみたいと思います。

今日のブログがいつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても何かしらの参考となったら幸いです。

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「声のブログ」Voicyも毎日更新しています。合わせて聴いてみていただけると嬉しいです。