最近、『ぼけと利他』という本を読んでいます。
Wasei Salon内ではもう知らない人はいないであろう伊藤亜紗さんと、村瀨孝生さんの往復書簡が1冊にまとめられた本です。
この本を読んでいると、様々な角度から「生きること」について考えさせられて、ものすごくおもしろいです。
Wasei Salon内でも、いつか読書会を開催してみたいなあと思っています。
ちょっと冒頭から少し脱線してしまうのだけれど、僕は「対談本」や「往復書簡」のような本が、なぜかすごく好きなんですよね。
でも、世間ではそのようなタイプの本はあまり売れないらしいです。
きっと、著者が言いたいこと、その結論がわかりにくいからなのだと思います。
それよりも「著者がひとりで書いた本で、その結論をハッキリ教えてくれ!」となるのでしょうね。
でも、僕は何度も何度も語ってきているように「思考過程」を共有して欲しい。
そういう意味では、対談や往復書簡というのはまさに、著者同士が一緒に考えている場に自分も混ぜてもらっているような感覚になるから、本当に大好きなのだと思います。
なので、積極的に素晴らしい対談本や往復書簡本を見つけた際には全力でオススメしていきたい。
少しでも売れて、このようなタイプの本が世の中に増えると良いなあと思うからです。
その中でも、最近読んだ往復書簡系の本の中で、ダントツにおもしろいのではないかと思っているのが、この『ぼけと利他』という本です。
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特におもしろいなあと感じたポイントは、この本の中に紹介されていた「チームには、2つのタイプがある」というお話です。
以下、本書からの引用部分になります。
この続きには、さらに以下のように書かれています。
冒険には焚き火が必要ですが、生活は意志の力だけではどうにもなりません。生活において偉大なのはむしろ気分の力です。「こうしよう」と威勢のいいかけ声をかけるリーダーシップ、あるいは自分の中に持つ芯というものは案外もろい。村上さんは表面こそ重要、と言います。服を脱いで無防備になった他人たちが、大地の奥底から湧いてきたお湯に身を沈め、数分もすれば肌もとろけてお互いが違いながらも似かよってくる。生活って確かにそういうものだなあと思います。
いかがでしょうか。
僕は、ものすごくおもしろい観点だなあと思いました。
そして、このWasei Salonもチームのひとつの形態です。
そして、最初は明確な焚き火タイプからスタートしたと思いますが、いまは温泉タイプのチーム(コミュニティ)に変化してきていると思います。
具体的には、毎回イベントに参加してアクティブに活動してくれているメンバーさんも、ロム専で参加してくださっているメンバーさんも、みなさんが似たような「温度感」を共有している。
その結果として、参加してくださっているみなさんにとって、全員に均等に居心地の良い場所だと感じてもらえているような場になってきていると思います。
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でも、やっぱりそうすると「生活中心」になってきて、ハレのような「盛り上がり」に欠ける部分も出てきてしまうのも事実です。
僕にとって、それが最近の悩み事でもありました。このバランスをとることが、非常にむずかしいことだなあと。
このお話を、コミュニティマネージャーの長田さんにも共有してみたところ、「どちらもあるといいですよね」と言ってくださって、確かに本当にそのとおりだなあって感じて完全に目からウロコでした。
僕自身が、わかりやすい「二項対立」の状態に陥ってしまっていたなあと。勝手にこの関係性はトレードオフだと思ってしまっていたのです。
でもこの焚き火タイプと温泉タイプは、別々のレイヤーとして存在しているんだと捉えることができれば、ハイブリッド型でいくこともできるはず。
実際、焚き火を囲みつつ、温泉に入りに行くこともできますよね。(今年の夏に開催した鹿児島合宿がまさにそんな感じでした)
具体的には、今現在進行中の「この町いいなの見つけ方」のようなポップアップサロン(サロン内で展開される小サロン)のような期間限定企画は、確実に焚き火タイプの企画です。
一方で、平時の生活の一部として、常に一定の温度を保ってくれる温泉のような居場所として、さらに大きく存在しているのが、このWasei Salon全体というわけです。
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このように、いまこの瞬間に自分たちが気になっていること、それこそホットな話題やテーマを積極的に考えたり実現したりしていく場としての、短期集中型で期間限定のポップアップサロンのようなものを3ヶ月ぐらいの頻度で繰り返し開催していく。それが本当にいい方法だなあと感じます。
そして、そこにはサロンの内のメンバーと、サロン外の新規のメンバーが半々ぐらいが参加して、ゆるやかに内と外がつながっていくようなイメージ。
これは、本当に目からウロコが落ちるような発見だったので、改めてこのブログにも書いてみました。
12月10日に東京で開催される忘年会イベントを終えたあと、来年以降のWasei Salonの明確な指針として、今回のようなハイブリッド型の活動を積極的に意識して取り組んでいきたいなあと思います。
サロン内には、近日中に次なるポップアップサロンの企画、その叩き台のようなものを共有させていただくので、2023年という年の第1弾として、何をみなさんで一緒に考えていけると楽しそうか、一緒に企画から考えていけると嬉しいです。
今日のお話がいつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても、何かしらの考えるきっかけになったら嬉しいです。
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声のブログ、Voicyも毎日更新しています。合わせて聴いてみてもらえると嬉しいです。