今、音声配信や音声コンテンツに興味を持つひとたちが一気に増えてきたと思います。

今日は、そんな方々に向けて「自分で話してみるよりも、まず先にブログを書いたほうが良いのではないか」という提案をしてみたいと思います。

「ブログなんて、もうオワコンだ!」と語られていて、その新たな対抗馬として出てきているのが「音声配信」であることは重々承知しています。

でも僕が思うのは、音声配信というのは、ブログの対抗馬というよりも、完全に上位互換であり応用編のスキルであるということです。

これは、僕自身が、1ヶ月以上、毎日Voicyを継続して配信してきて強く感じたところでもあります。

参照:Voicyの配信を1ヶ月間毎日継続してみて、驚いたこと3つ。

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たとえば、Voicyのランキング上位の配信者の方々のお名前を見てみると、キングコング西野さんやちきりんさん、イケハヤさんやLLACのしゅうへいさんなどなど、みなさんもともとブロガーだった方々ばかりです。

これは、決して偶然ではないと思います。

というのも、音声配信で必要になってくる筋肉というのは、ブログを書く筋肉とほとんど同じなんですよね。

参照:それは筋肉系の能力か、生まれ持った才能系の能力か?

具体的には、テーマ(タイトル)を決めて、そのテーマに合わせた構造をつくりだすこと。

そして、その構造に合わせて適宜、適切な素材を随所にはめ込んでいくこと。

つまり、トップ配信者のみなさんは、決してその場で考えているわけではないんですよね。

常日頃から徹底的に考え抜いたことを、その場の「話の流れ」に合わせて、適切な下処理の済んだ状態の素材をドンドンと当てはめているだけ。

本人たちが「即興で考えている」と言っているから、その場でゼロから考えているように感じられてしまうけれど、厳密に言えば、日々考え抜いてあることを、テーマに合わせてつなげているだけだったりします。

これがあまりにも見事で、流れるような作業だからこそ、その場で考えているように感じられるだけで実際はそうじゃないんですよね。

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毎日ブログを書くという行為は、この素材を準備しておくという作業とまったく同義なのです。

僕は、これまで周囲の方々から何度も「どれぐらいの時間をかけて、ブログを書いているのですか?」と聞かれきました。

その質問に対して「1時間ぐらいですかね」と答えると「よくそんな短い時間で書けますね!」と驚かれることがあったんですが、それはブログを書くという行為が、僕にとっては考えることではないからです。

日常的にモヤモヤと考えて続けていることを、改めて言語化して(文字化して)つなげる行為が、ブログを書くという行為だから。

この質問をしてくるひとに「逆にどんなふうにブログを書いているのですか?」と聞き返してみると、「座ってから初めて、考え始めている」というひとが驚くほど多いのです。

でもきっと、座っているときと考えることが一番相性が悪い。

僕からするとそれは、拷問に近い作業です。個人的には一番やりたくないこと。

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机のまえに座っているときに、人間ができることは文字化して表現し、それまでの思考をつなげて他者に伝わりやすい形に整える作業です。

だからこそ、僕からすると座りながら考えることが、一番もったいない時間の使い方をしているなあと思ってしまいます。

そして、そのような質問をしてくるひとの基準に照らし合わせてみると、僕らブロガーというのは「1日中書き続けている」という表現が、きっと正しいんだと思います。

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そして、Voicyのトップ配信者の方々の話を戻すと、彼らはもはやタイピングするぐらいなら、話したほうが早いと思っている人たちなんです。

彼らはその行為を「喋りながら考えている」という表現をするのだけれど、それは「喋りながら、日々考え抜いたことをつなげている。なぜならキーボードを打つよりも圧倒的に速いから」が、厳密に言えばきっと正しい。

トップブロガーでもある彼らは、暗算の達人が頭の中にそろばんが常に存在しているのと同じように、ブログを書くためのキーボードとスクリーンが、頭の中に常にあるような状態なのだと言えばわかりやすいでしょうか。

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この点、ときどき、Voicy内でザッピングをしていると「明らかにいま考えながら話しているでしょう?」っていうひとたちがいます。

きっと、その方々の言い分としては「だって、そのほうが臨場感ありますよね。私の個性がよりリスナーにも伝わりますよね、そしてそれがセレンディピティにも繋がりますよね」ということなのでしょう。

たしかに、音声の強みは臨場感であって、話が脱線していくことがその魅力であることは間違いないと思います。

でもそれは、「日々考え続ける、問い続ける」をした後の作業だと僕は思います。

わかりやすく、他の事柄に置き換えてみると「ジャズにおいてグルーヴ感が大事」というような話にも近いかもしれません。

「ジャズはグルーヴ感が大事だと聞いたから、楽器の練習は一切せずに、何も考えずステージにやって来ました」では話にならないということは、きっと誰もが理解してくれるはずです。

セッションが始まるまで、徹底的に練習して、自己の技を磨いておかないと「本当のグルーヴ感」にはたどり着かない。それと全く同じ話です。

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だからこそ、音声配信の場合は、一度似たようなことを、自分の中で言語化したことがあるかどうかがものすごく重要になってくる。

そのためにも、まずはブログを書いたほうが良いと思います。

音声配信の中だけで、そのスキルを高めたければ、せめて台本ぐらいは準備したほうが良いと思います。

ひたすらリスナーさんの名前を読み上げて「好きな食べ物はなんですか?」といった簡単な質問に答えていくというような既存ファン向けの交流の場ではない限り、音声配信は、常にブログの上位互換であると考えたほうがいい。

今日のお話が、いつもこのブログを読んでくださっているみなさんにとっても何かしらの参考となったら幸いです。

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